![]() 薬物送達デバイス、キット及びそれらの方法
专利摘要:
移植可能な薬物送達デバイス、及びキット、並びにそれらを採用する方法が説明される。そのバイスは、例えば被検者の眼領域に、移植するように構成してもよい。この薬物送達デバイスは、連続的又は併薬投与療法の管理のために、選択的に始動可能な複数の薬剤貯蔵器を備えてもよい。デバイスの或る変形例は、光学的刺激、例えば、特定の波長範囲内の波長を有する光によって始動し得る一つ以上の貯蔵器を備えてもよい。このデバイス、方法及びキットは、慢性眼症状、例えば加齢関連黄斑変性に有益であろう。 公开号:JP2011510750A 申请号:JP2010545174 申请日:2009-01-29 公开日:2011-04-07 发明作者:クライマン、ギルバート・エイチ 申请人:クライマン、ギルバート・エイチ; IPC主号:A61F9-007
专利说明:
[0001] [関連出願の相互参照] この出願は米国仮出願第61/024,462号(出願日2008年1年1月29日)の利益を主張しており、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれている。] 発明の技術分野 [0002] 本出願は移植可能な薬物送達デバイスに関し、特に、眼に移植するための薬物送達デバイスに関する。本出願は、移植可能な薬物送達デバイスを使用する方法、及びそれらを含むキットにも関する。] 発明の背景 [0003] 多くの症例において、薬物の有効性は、それが身体へ送達される方法に影響を受け易い。薬物は様々な放出制御又は徐放技術を用いて投与し得る。例えば、薬物ポンプ、パッチ、及び放出制御錠剤処方が薬物投与のために用いられているであろう。] [0004] 多くの慢性的眼病は、眼への持続的若しくは反復的な薬物送達を必要とする。しかしながら、眼に対する浸透性薬物送達は、眼球血液障壁を通じる移送により制限されるので、毒性を招くおそれのある非常に高い浸透性投与が要求される。一般的には、液体目薬が眼への薬物送達に用いられるであろう。しかしながら、眼の組織を通じて効果的に拡散するのは低分子量の薬物のみである。従って、全ての薬物を液滴 形態に処方できるというわけではない。その他のときは、薬物は硝子体内注射によって眼の後部に投与し得る。しかしながら、度重なる眼内注射は、眼に対する感染症若しくは損傷の危険性を招くおそれがある。眼のインプラントも発達してきてはいるが、それらの使用は、眼の小さな寸法及び形状並びに制御された長期間薬物送達の技術的複雑性のために制限されている。] [0005] 何らかの症状を治療するように目標とされた薬物送達の利点、並びに複雑な及び/又は拡張された薬物治療の必要性を与えるためには、改良された薬物送達デバイスが望ましい。例えば、単独の薬物或いは複数の薬物若しくは薬物投与についてのユーザーにより調整された若しくは施術者により調節された送達を可能とする改良された薬物放出計画を有する改良された移型可能型薬物送達デバイスが望まれる。特に、眼内に用いるための改良された移植可能型薬物送達デバイスが要請される。 概要] [0006] 本明細書に説明されているのは、薬物送達デバイス、そのようなデバイスを備えるキット、そのデバイスを使用する方法であるこれらのデバイスは、身体内の様々な部位に使用するために、且つ様々な用途のために構成されている。例えば、その薬物送達デバイスは、複数の薬物及び/又は複数の薬物投与を含めて、様々な迅速又は拡張された薬物投与計画のために用いてもよい。] [0007] 一般に、薬物送達デバイスは、対象(例えば眼球領域)へ移植するように構成されている。様々な移植可能型薬物送達デバイスは、薬物を装填し、次いで薬物を身体内へ放出するように構成された一つ又はそれ以上の薬物貯蔵器を含む。或るデバイスは、複数の薬物/及び又は複数の薬物投与のための送達のために複数の貯蔵器を含んでもよく、勿論、単独の貯蔵器には、一つより多くの薬物を包含させてもよい。或る変形例では、薬物送達デバイスは治療部分と診断部分とを持つように構成してもよく、ここで貯蔵器はデバイスの治療部分に設けて、デバイスの診断部分により直接的又は間接的に送信される信号に応じて薬物の放出を起動するようにしてもよい。] [0008] 薬物送達デバイス内の貯蔵器は、例えば刺激により一つ以上の薬物を放出するように起動してもよく、或る例では、デバイスは、刺激されると即座に薬物の放出を可能にするように構成された目標領域を含む。他の例においてデバイスは、薬物の放出を可能にするために貯蔵器を起動せねばならないときを示すことができる一つ以上のセンサを含む。更に他の例では、そのような目標領域とセンサとの組合せがデバイスに包含されており、それらは一つ以上の薬物を放出するために一緒に又は個々に作動する。特定の変形例では、薬物は、貯蔵器内に包含されていないが、デバイスの全て又は一部分の被覆として提供される。ここで、始動手段、例えば刺激は、貯蔵器について説明したのと同様な方式で、被覆内に包含された一つ以上の薬物を放出するために用いてもよい。] [0009] 薬物を放出するように貯蔵器を起動させるためには、任意の形態の刺激を用いてもよいことに留意されたい。刺激に適する例としては、光学的、機械的、化学的、磁気的、音響的(例えば、超音波)、高周波、その他の放射性(例えば、電離放射線)、及び熱の刺激、並びそれらの組合せを含むが、それらに限定されるものではない。或るデバイスは、第1の刺激によって選択的に始動し得る貯蔵器の第1のサブセットを備えてもよい。そのような或るデバイスは、次で、第2の刺激により選択的に始動し得る貯蔵器の第2のサブセットを備えてもよい。ここでは第1及び第2の刺激並びに貯蔵器サブセットのみについて言及したが、多くの刺激及び貯蔵器サブセットを用いてもよい。] [0010] 薬物を放出するために貯蔵器を起動させた後、薬物は任意の適宜な方法で適宜な放出プロファイルによって放出するようにしてもよい。例えば、更に以下に記すように、刺激は、貯蔵器に一つ又は複数の変化を誘発することにより薬物放出を始動させてもよい。或る変形例では、例えば、キャップを被せた貯蔵器が用いられる場合には、その始動は、貯蔵器を刺激して一つ以上のオリフィス又は孔を開放するようにして、貯蔵器が刺激を受けた際に、それを通じて薬物が貯蔵器から直接に抜け出るようにしてもよい。他の変形例では、始動は、貯蔵器を刺激してオリフィス又は孔を開放して、レート放出膜の一部を露出させて、それを通じて薬物を送達できるようにしてもよい。更に他の変形例では、始動は、貯蔵器へ刺激を加えることを含み、これは貯蔵器の材料(例えば、貯蔵器のキャップ、或いはデバイスの他の部分)を変形させて、例えば材料中の分子変化を含めて、材料の浸透性に変化をもたらすようにしてもよい。] [0011] 薬物放出のために貯蔵器を起動させると、その薬物放出は任意の適宜な方式で起こし得る。例えば、薬物は能動的機構(例えば、ポンプ、注射器、その他によるもの)により、又は受動的(例えば、拡散又は溶出によるもの)に放出されるようにしてもよい。薬物は、任意の形式の放出プロファイルによって放出されようにしてもよい。例えば、デバイスは、薬物を連続放出、脈状放出、バースト放出(即多量の初期放出)、ボーラス放出(即ち、刺激による始動の直後に貯蔵器全体が空になる)又は0次放出プロファイルによって放出するように構成してもよく、他の変更された薬物放出プロファイルも考えられる。例えば、貯蔵器は薬物の制御放出(即ち、長期間に亘って制御された放出率)又は徐放(即ち、長時間に亘って緩慢に放出されるが、制御された放出率は必要としない)のために構成してもよい。] [0012] 複数の貯蔵器を採用する場合、デバイスはそれらの貯蔵器の全て又は幾つかを同時に又は個別に始動するように構成してもよい。同様に、始動される際には、複数の貯蔵器は同一の放出プロファイル、或いは異なる放出プロファイルの組合せによって薬物を放出してもよい。通常、貯蔵器は刺激に応じて一つ以上の薬物を放出するために始動するが、或る例においては、貯蔵器は始動されることなく薬物を放出するように構成してもよい。この場合、薬物は、貯蔵器から、或いはデバイスの全体又は一部における被覆から放出されてもよい。] [0013] デバイス及びそれらの関連薬剤貯蔵器は、様々な構成を採ってもよい。デバイスは、貯蔵器の配列(例えば、線形配列、二次元配列又は三次元配列)から構成してもよい。或る変形例では、複数の貯蔵器は互いに結合させてもよい。他の変形例では、複数の貯蔵器は互い離間させてもよい。例えばデバイスにおける一つ以上の貯蔵器を移植の後に他の貯蔵器から離間させてもよい。或るデバイスは、このデバイスを身体内に移植した状態で、このデバイスの再位置決め、修正及び/又は固定を可能とする繋留体又はその他の特徴を備えてもよい。デバイスの変形例は、デバイスを被検者の生体構造へ固定可能に構成されたアタッチメントを備えてもよい。このようなアタッチメントは、生体構造に対するデバイスの恒久的な又は一時的な固定を可能としてもよい。例えば、アタッチメントが時間の経過と共に生体分解又は溶解するようにしてもよい。] [0014] 目標領域には(それがデバイス中に存在するならば)、刺激(例えば、光学的刺激)に対する選択的な反応を可能とする任意の適宜な構成要素、構成及び幾何形状を持たせてもよい。例えば、目標領域は、始動されるべき貯蔵器の個別の部分としてもよい。例えば、個別領域は、幾何学的に境界明瞭に規定されているか、或いは貯蔵器の表面上の他の特徴としてもよい。目標領域は貯蔵器の大きな部分、例えば貯蔵器の表面、壁、キャップ又はその他の部分としてもよい。或る変形例では、目標領域は、デバイスの円周の少なくとも一部の周りで円周方向に延伸したバンドからなるようにしてもよく、このバンドの形状は、例えデバイスが生体内で回転したとしても、外部から直接に始動させる刺激(例えば、レーザー)から目標領域へのアクセスを向上可能にしてもよい。] [0015] 薬物送達デバイスは、任意の適宜な薬剤(即ち、薬物)又は薬剤の組み合わせを被検者へ送達するように構成し得る。複数の貯蔵器を備えるデバイスでは、貯蔵器のうちの二つ以上に同一の薬剤を包含させて、例えばその薬剤を連続投与するように送達してもよい。貯蔵器には、組み合わせ薬剤治療(例えば、複数の薬剤の同時送達を含む併用薬剤治療及び/又は複数の薬剤の連続送達を含む連続薬剤治療)の少なくとも一部として選択された複数の薬剤を装填してもよい。本デバイスにより送達される薬剤の少なくとも一つは、以下のものからなるグループから選択してもよい。即ち、抗炎症剤(例えば、ステロイド性及び非ステロイド性)、抗感染役薬(例えば、抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス剤及び消毒剤)、抗アレルギー薬、神経保護薬、抗緑内障薬、酸化防止剤、白内障防止剤及び/又は治療剤、アドレナリン作動薬及びアドレナリン拮抗薬、コリン作動薬及びコリン拮抗薬、抗ヒスタミン剤、抗血小板薬、抗凝固剤、抗トロンビン剤補体阻害剤、補体抑制剤、充血除去剤、ビタミン、成長因子、抗成長因子剤、遺伝子治療ベクター、化学療法剤、プロテインキナーゼ抑制剤、低分子干渉RNA、リマス(limus)族化合物、並びにそれらの組合せである。] [0016] 薬物送達デバイスの或る変形例は、送達形態と移植形態体とからなるようにしてもよい。例えば、送達形態は、細長くして、折り畳んで、及び/又は圧縮してもよい。一方、移植形態体は、少なくとも一つの屈曲若しくは捻れからなり、少なくとも部分的には折り畳まれておらず、及び/又は膨らんでいてもよい。デバイスは、任意の適宜な寸法としてもよい。例えば、それらの送達形態のデバイスは、20ゲージ又はより小さなカニューレによって被験者へ移植できるように構成してもよい。] [0017] 上述したように、デバイスの或る変形例は、薬物送達を開始するために光学的刺激により選択的に始動し得る一つ以上の貯蔵器を備えてもよい。これらの薬物送達デバイスは、第1の薬剤を装填するように構成された第1の貯蔵器を備えてもよい。第1の貯蔵器は、第1の光学的刺激に応じて第1の薬剤を放出するように構成してもよい。デバイスは、第1の光学的刺激に選択的に反応するように構成された第1の目標領域を備えてもよい。第1の光学的刺激は任意の光学的刺激としてもよいが、或る変形例では、第1の光学的刺激が第1の波長範囲以上の波長を有する光による照射を含み、且つ第1の目標領域がその第1の波長範囲内の光を選択的に吸収するようにしてもよく、] [0018] 薬物送達デバイスの変形例は、様々な異なる光学的刺激、例えば、様々な異なる波長を有する光学的刺激に反応するように調整してもよい。例えば、或るデバイスの目標領域は少なくとも一つの発色団を備えてもよく、その少なくとも一つの発色団は望ましい波長範囲以上光を吸収するように選択される。或る変形例では、第1の波長範囲は、個体相、ガス又はダイオード・レーザーからの射出されるものと重なるようにしてもよい。レーザーは、持続波でもパルス波でもよい。その非限定的な例としては、アルゴン・イオン・レーザー、Nd:YAGレーザー(例えば、周波数倍増Nd:YAGレーザー)、ダイオード・レーザー(例えば、赤色又は緑色光を発するダイオード・レーザー)、Nd:YLFレーザー、クリプトン・イオン・レーザー、ヘリウム・ネオン・レーザー、及び励起色素レーザーが挙げられる。アルゴン・イオン及びNd:YAGレーザーは、特に有益であろう。] [0019] 上述したように、薬物送達デバイスの或る変形例は、複数の薬剤を装填されるように構成された複数の貯蔵器を備える。例えば、薬物送達デバイスの一つの貯蔵器内の第2の薬剤は、そのデバイス内の同じ貯蔵器又は他の貯蔵器内の第1の薬剤とは異なるようにしてもよい。そのデバイスは、第1、第2及びその他の薬剤が任意の順序及び/又は放出されるように構成してもよい。二つ以上の刺激に反応する貯蔵器を有するデバイスの変形例では、刺激の任意の組合せを用いるようにしてもよい。例えば、第1の刺激が光学的刺激からなるならば、第2の刺激は例えば第2の光学的刺激、熱的刺激、高周波刺激、電気的刺激、機械的刺激、磁気的刺激、超音波刺激、化学的刺激、又はそれらの任意の組合せからなるようにしてもよい。] [0020] 従って、薬物送達デバイスの或る変形例は、第1の光学的刺激に応じて、内部に装填されている第1の薬剤を放出するように構成された第1の貯蔵器と、第2の光学的刺激に応じて、内部に装填されている第2の薬剤を放出するように構成された第2の貯蔵器とを備える。これらの変形例では、第1の光学的刺激は第2の光学的刺激と同じにしてもよく、異なるようにしてもよい。更に、これらの変形例の一部では、第1の貯蔵器は、第1の光学的刺激から光を吸収して第1の薬剤の放出を開始するように構成された第1の目標領域を備えてもよく、及び/又は、第2の貯蔵器は、第2の光学的刺激から光を吸収して第2の薬剤の放出を開始するように構成された第2の目標領域を備えてもよい。これらの変形例では、第1及び/又は第2の目標領域は、それぞれ、第1及び第2の波長範囲に亘って選択的に光を吸収するように構成してもよい。例えば、第1の及び/又は第2の目標領域の各々は、それらの各々の波長範囲に亘って選択的に光を吸収する発色団を備えてもよい。] [0021] 異なる光学的刺激によって二つ以上の薬剤の身体への放出を選択的に始動する二つ以上の貯蔵器を備えるデバイスのためには、光学的刺激は任意の事項において異なるようにしてもよい。例えば、第1の光学的刺激は第1の波長による薬物送達デバイスへの照射を含んでもよく、第2の光学的刺激は第2の波長による薬物送達デバイスへの照射を含んでもよい。特定の変形例では、第1の光学的刺激は第1の出力密度による照射を含んでもよく、第2の光学的刺激は第2の出力密度によるデバイスへの照射を含んでもよく、場合によっては、入射ビームのスポット・サイズ、輪郭形状及び/又は幾何形状を、刺激を区別するために用いてもよい。] [0022] 光学的刺激は、任意の適宜な方式で薬物送達デバイスからの薬剤の放出を始動するようにしてもよい。例えば、或るデバイスでは、光学的刺激が貯蔵器(例えば薬物放出を導く貯蔵器のキャップ)におけるオリフィスの形成を開始するようにしてもよい。代替的に、或いは追加として、貯蔵器は光学的刺激に応じて形状が変化するように構成してもよい。この貯蔵器の形状変化が薬物の放出を導くようにしてもよい。望ましい薬剤併用療法に応じて、貯蔵器は、ボーラス投与による薬剤放出、或いは、例えば薬剤からなるマトリックス又はケーシングの分解による薬剤の徐放及び/又は遮蔽体を通じての薬剤の拡散をするように構成してもよい。] [0023] 或る薬物送達デバイスは、このデバイスが被験者に移植されている間に、薬剤が装填されるように構成された少なくとも一つの貯蔵器を備えてもよい。デバイスの一つ以上の貯蔵器を移植の後に装填を開始するように構成し、一方、他の貯蔵器は再装填のために構成してもよい。例えば、少なくとも一つの貯蔵器を再装填薬剤で再装填するように構成してもよく、その薬剤は、その貯蔵器に包含されていた前回の薬剤と同じものでもよく、異なるものとしてもよい。] [0024] 勿論、或る薬物送達デバイスは三つ以上の貯蔵器を備えてもよく、それらの貯蔵器は各々が薬剤を装填するように構成し、同じ刺激又は異なる刺激により始動されて、その薬剤を放出するようにしてもよい。これらの変形例では、三つ以上の貯蔵器の各々は、同一の薬剤を包含してもよく、異なる薬剤を包含してもよい。例えば、光学的、熱的、電気的、機械的、超音波、磁気的、高周波、その他の放射性のもの(例えば、電離放射線)、及び化学的刺激の任意の組み合わせを用いてもよい。或る変形例では、三つ以上の貯蔵器の各々は、光学的刺激に選択的に反応するように構成してもよい。これらの変形例では、貯蔵器は同一又は異なる光学的刺激(例えば、異なる波長及び/又は異なる出力密度)に反応するように構成してもよい。三つ以上の貯蔵器からの薬剤放出は、上述したような任意の方法で生じるようにしてもよい。] [0025] 本明細書に説明された薬物送達デバイスには多数の用途があり、例えば、目標とする薬物送達のための身体の様々な部位への移植、及び/又は様々な症状の治療などがあり得る。眼で使用されるように設計された薬物送達デバイスについては、このデバイスを硝子体腔、網膜、強膜、角膜、結膜及び/又は眼窩若しくは眼球自体の内部の任意の空間又は潜在的空間に移植するように構成してもよい。場合によっては、本デバイスは特に慢性症状の治療に有益であろう。例えば、或るデバイスは、加齢に関連する黄斑変性症、或いは例糖尿病性網膜症などの糖尿病関連症状を治療するように構成してもよい。更にデバイスは、任意の眼性病又は症状、或いは眼窩の内部又は眼窩の周囲に生じる疾病又は疾患の併発、例えば緑内障、白内障、網膜及び脈絡膜病、ドライ・アイ症候群、光学的神経障害、眼窩疾患、ブドウ膜疾患、角膜症状、及びその他の症状を治療するように構成してもよい。] [0026] ここで薬物送達デバイスの更に他の変形例を与える。これらの薬物送達デバイスは各々が二つ以上の薬剤貯蔵器を備えており、各々の薬剤貯蔵器は薬剤を装填されるように構成される。従って、これらの変形例におけるデバイスが少なくとも備えるのは、第1の薬剤を装填するように構成された第1の貯蔵器と、第2の薬剤を装填するように構成される第2の貯蔵器である。第1及び第2の貯蔵器の各々は、それぞれ第1及び第2の目標領域を備えてもよく、その第1及び第2の目標領域は視覚的に区別されるように構成される。例えば目標領域は、色コード付け、形状コード付け及び/又はパターン化して、迅速に視覚的に区別できるようにしてもよい。] [0027] 更に他の変形例では、インプラントの一つ以上のハウジング内に一つ以上の薬物送達デバイスを収容するように構成されたインプラントが与えられる。このインプラントは、シール可能な開口又はポーを通じて薬物送達デバイスへの繰り返しアクセス可能なように構成してもよい。これは、薬剤は貯蔵器へ装填又は再装填することができ、或いは、一つ以上の薬物送達デバイスは生体内で他の薬物送達デバイスへ交換することができるということである。] [0028] キットについてもここで説明する。キットの或る変形例は、移植型薬物送達デバイスと、この薬物送達でバイスにより送達される一つ以上の薬剤(例えば一組の薬物)とを備えてもよい。例えば、これらのキットの或るものは、薬物送達システムへ装填するために選択し得る一つ以上の薬物を包含する一つ以上の交換貯蔵器を備えてもよい。 キットの特定の変形例は、少なくとも複数の移植型薬物送達デバイスを備えてもよい。キットの更に他の変形例は、少なくとも一つの移植型薬物送達デバイスと、この薬物送達デバイスを被検体の組織に移植するように構成された少なくとも一つの移植型デバイスとを備えてもよい。或るキットでは、移植デバイスは、20ゲージ若しくはより小さなカニューレを備えてもよい。キットは、選択的に刺激源を備え、これが薬物送達バイスの少なくとも一つの貯蔵器を始動させて、その貯蔵器に包含される薬剤を放出するようにしてもよい。キットの一部として与えられる刺激源の非限定的な例は、光学的、機械的、化学的、高周波、他の放射性のもの(例えば、電離放射線)、超音波、磁気、熱及び電源を有する。キットの変形例は、複数の薬物送達デバイス、複数の移植デバイス、複数の薬剤や複数の刺激源を備えてもよい。任意の適宜な薬物送達デバイス又は薬物送達デバイスの組合せをキット中で使用するようにしてもよい。例えば、任意の薬物送達デバイス又は上述の薬物送達デバイスの組合せをキット中で使用するようにしてもよい。キットには、取扱説明書を選択的に含めてもよい。] [0029] 様々なキットは、光学的始動貯蔵器を含む薬剤送達デバイスを備え、その光学的始動貯蔵器は、この貯蔵器を始動して薬剤を放出する適宜な波長、エネルギ密度及び/又は出力密度で供給可能な光源を含んでもよい。或るキットに含み得る光源の非限定的な例は、発光ダイオード、ランプ、ダイオード・レーザー、固体レーザ及びガスレーザーである。光源は、持続波でもパルス光でもよい。例えば、光源は以下のものからなるグループから選択し得る。即ちアルゴン・イオン・レーザー、Nd:YAGレーザー、例えば、周波数倍増Nd:YAGレーザー、発光ダイオード、ランプ、ダイオード・レーザー(例えば赤色又は緑光色を発するダイオード・レーザー)、Nd:YLFレーザー、クリプトン・イオンレーザー、ヘリウム・ネオン・レーザー及び色素レーザーである。或るキットは、目標領域でエネルギ密度及び/又は出力密度を調節する少なくとも一つのフィルタリング装置及び/又はフィルタリング装置(例えば空間フィルタリング装置)を備えてもよい。例えば、フォーカシング及び/又はフィルタリング装置は、光源と薬物送達デバイスとの間に配置可能か、或いは眼自体に配置可能なレンズとしてもよい。或る変形例では、レンズは目標領域の上へ光を集束若しくは指向させるために用いてもよい。他の変形例では、光の好ましい波長がフィルタリングされて目標領域へ通されるように、レンズが眼に配置される。フォーカシングとフィルタリングとの両方の能力を包括するレンズの使用も考えられる。] [0030] 使用方法についてもここに与えられる。これらの方法の変形例は、被検者の望ましい解剖学的領域への一つ以上の薬剤を徐放する様々な始動と共に、薬物送達デバイスを利用してもよい。或る方法は、特に慢性及び/又は進行性眼症状、例えば加齢に関連する黄斑変性を治療するために適切であろう。ここに説明される方法を用いて治療し得る他の眼症状は、網膜及び脈絡膜症状、白内障、緑内障、ドライ・アイ症候群、角膜症状、視覚神経障害、眼窩疾病及びブドウ膜炎を含む。方法の変形例は、眼球に限定されない症状、例えば、ガン及び糖尿病を治療するのに用いてもよい。例えば、方法は抗腫瘍剤を眼を通じて身体内の何処か他の腫瘍部位へ達するように送達するために用いてもよい。ここで説明したデバイスは他の処置様式と共に用いてもよい。例えば、このデバイスは、他の処置様式の移植に対して、それに先行して、又は同時に、或いは後に用いてもよい。更に詳しくは、デバイスを全体的又は局所的治療の付属物として、或いは眼科処置の前後に用いてもよい。他の処置様式は、眼内薬物治療、光線力学療法(PDT)、及び放射線療法を含むが、これらに限定されるものではない。] [0031] 一般に、方法は薬物送達デバイスを被検者の生体構造に移植することを含み、その移植型薬物送達デバイスは一つ以上の選択的にアドレス指定可能な薬剤貯蔵器を備える。方法の或る変形例では、使用される移植型薬物送達デバイスの各々が、第1の薬剤を装填するように構成された第1の貯蔵器を備える。一つの変形例では、第1の刺激により第1の貯蔵器の始動が起こる。ひとたび始動されたならば、第1の貯蔵器は第1の薬剤を能動的又は受動的に放出してもよい。第1の薬剤は、任意の適宜な放出プロファイルに従って放出してもよい。第1の薬剤を放出するためにデバイスを起動させることは、第1の刺激(例えば、第1の光学的刺激)に選択的に応答するように構成されたデバイスにおける第1の目標領域によって可能にしてもよい。これらの方法の変形例は、被検者への第1の薬剤の放出を始動する第1の光学的刺激としての第1の波長範囲内の波長を有する光で第1の目標領域を放射線治療することを含んでもよい。勿論、これらの方法の一部では、移植される薬物送達デバイスは、一つよりも多くの薬剤貯蔵器、例えば、同じ薬剤又は第2の(若しくはそれに続く)薬剤が事前に充填された第2の貯蔵器(又はそれに続く貯蔵器)を備えてもよい。この第2の貯蔵器も始動時に第2の薬剤を放出するように構成してもよい。任意の適宜な第2の刺激を用いてもよい。例えば、第2の刺激は、以下のものからなるグループから選んでもよい。即ち、光学的、熱的、電気的、力学的、超音波、化学的、高周波、他の放射性(例えば、電離放射線)刺激、及びそれらの組み合わせである。勿論、この方法は薬剤放出を始動する多数の刺激及びその組み合わせを用いてもよく、また、複数の薬剤、(例えば、1及び第2の薬剤及びそれに続く薬剤)の放出は、任意の順序で、又は同時に、或いは任意の適宜な時間間隔で離間させて、及び/又は任意の相対速度でなしてもよい。] [0032] 方法の或る変形例は、第1の光学的刺激で薬物送達デバイスの第1の目標領域を放射線治療して、第2の光学的刺激で薬物送達デバイスの第2の目標領域を放射線治療することを含んでもよい。例えば、方法の或る変形例においては、第1の光学的刺激は、第2の光学的刺激とは異なる波長を有する。これに代えて、或いはこれに加えて、第1の光学的刺激は、第2の光学的刺激とは異なるエネルギ及び/又は出力密度を有してもよい。第1及び第2の光学的刺激は、任意の順序で、又は同時に、或いは任意の適宜な時間間隔で離間させて加えてもよい。] [0033] 任意の適宜な薬剤併用療法を、ここで説明する方法を用いて施してもよい。例えば、この方法は、組合せ薬物治療、例えば、薬物同時送達の組み合わせで、又は連続的に与えるように複数の薬剤を放出することを含んでもよい。或る方法は、被験者への同じ薬剤の連続投与送達を含んでもよい。方法の変形例は、多数の刺激、例えば、第1の光学的刺激と第2の光学的刺激とを、任意の時間間隔を介在させて、又は並行に送達することを含んでもよい。この方法の特定の変形例は様々な症状の治療に用いてもよく、その非限定的な例は、加齢に関連する黄斑変性、並びにその他の眼性疾病及び症状(例えば網膜及び脈絡膜疾病、白内障、緑内障、ドライ・アイ症候群、視覚神経障害、眼窩疾病、角膜症状、及びブドウ膜炎)を含む。或る方法は、眼に限定されず、例えばガン及び糖尿病などの症状を治療するために用いてもよい。] [0034] 方法の変形例は、薬物送達デバイスを任意の適宜な技術を用いて被検者へ、且つ任意の適宜な解剖学的領域へ移植することを含んでよい。例えば、或る方法は、薬物送達デバイスを被検者の眼球領域(例えば、硝子体空洞、網膜、強膜、角膜、結膜、或いは眼窩又は眼自体の任意の間隙若しくは潜在的間隙)へ移植することを含んでもよい。或る方法は、一つよりも多くの適応症を治療するために、眼の範囲内の複数の位置に複数のデバイスを移植することを含んでもよい。或る変形例では、方法は薬物送達デバイスを被験者の硝子体空洞へ、結膜の下の移植部位を通じて移植すると共に、移植の後に移植部位を閉止するか、或いは移植中に結膜を押し付けることにより、移植部位を封止することを含んでもよい。移植は、結膜下又は下位Tenon層、或いは眼内、眼周囲又は眼窩部位へなしてもよい。場合によっては、薬物送達デバイスは、外科的な切開、或いは硝子体切徐処置との組み合わせを用いて移植してもよい。特定の変形例では、薬物送達デバイスは、20ゲージ又はより小さなカニューレによって移植してもよい。例えば、薬物送達デバイスは、21ゲージ、22ゲージ、23ゲージ、25ゲージ、又は30ゲージ、或いは更により小さなカニューレを用いて移植してもよい。] [0035] 方法は、デバイスが移植された前又は後に、デバイスの薬剤貯蔵器に装填又は再装填することを含んでもよい。それに対応して、或る方法は、薬物送達デバイスが移植された後に、このデバイスへのアクセスを可能にするシール可能なポートを移植することを含んでもよい。] [0036] 上述の説明の何れも、デバイス又はデバイスの再位置決め、回収、及び又は視覚化を含んでもよい。例えば、或る方法は、デバイスへ取り付けられた繋留体又は他の機構(例えば、回収機構)を用いて、デバイスの再位置決め及び/又は回収することを含んでもよい。勿論、方法の変形例は、薬物送達デバイスを再位置決め及び/又は回収するために他の器具(例えば、鉗子、クランプ、フック又はその他の同種のもの)を用いることを含んでもよい。他の方法は、視覚的に区別されるように構成された一つ以上の目標領域を備える薬物送達デバイスを移植することを含んでもよい。これらの方法の一部では、貯蔵器は、視覚的区別を可能若しくは容易にするように、カラー・コード化、形状コード化、及び/又はパターンが施された対象領域を含んでもよい。] 図面の簡単な説明 [0037] 図1A及び図1Bは、それぞれ例示的な薬物デバイスを直線状形態及び屈曲形態で示す。 図2A乃至図2Fは薬物送達デバイスの更なる例を示す。 図3A乃至図3Cは、薬物送達デバイスを位置決め、回収及び/又は固定するように構成された一つ以上の繋留体を備える薬物送達デバイスの様々な実施例を図示する。 図4A乃至図4Dは、送達形態と、それに対応する移植形態とを備える薬物送達デバイスの様々な例を示す。 図5A乃至図5Cは、薬物送達デバイスの目標領域の様々な例を示す。 図6A及び図6Bは、薬物送達デバイスの一例であって、ここではデバイスの貯蔵器のオリフィスの形成が薬剤を放出することを示す図である。 図7A及び図7Bは薬物送達デバイスの一例であって、ここでは浸透性又は半透性層の露呈が薬剤を貯蔵器から放出することを示す図である。 図8A及び8Bは、眼の硝子体空洞へ移植された薬物送達デバイスの一つの変形例を示す図である。 図9A乃至図9Dは、被検者への移植の後に薬物を装填されるように構成された薬物送達デバイスの変形例を示す図である。 図10A乃至図10Gは、診断部分と治療部分とからなる薬物送達デバイスの一例と、このデバイスを用いるフィードバック・システムを示す図である。特に、図10B乃至図10Dは、例示的な開ループ・システムを示し、図10E及び10Gは例示的な閉ループ・システムを示す図である。 図11A及び図11Bは、固定要素からなる例示的なインプラントを示す図である。 図12A乃至図12Dは、例示的なインプラントとハウジング構成を示す図である。 図13A乃至図13Cは、インプラントのハウジング構成の更なる変形例を示す図である。詳細な説明] 図10A 図10B 図10D 図10E 図10G 図11A 図11B 図12A 図12D 図13A [0038] ここで説明するのは、薬物送達デバイス、そのようなデバイスを備えるキット、そのデバイスの使用方法、及びそのデバイスに薬剤を装填する法である。そのデバイスにおいては、身体の範囲内の様々な位置使用するように、及び様々な用途のために構成してもよく、一般に、薬物送達デバイスは、被検者(例えば、被検者の眼の領域)への移植のために構成してもよい。デバイスは、複数の貯蔵器を備えてもよく、その各々の貯蔵器は薬剤を装填するように構成される。デバイス内の貯蔵器は様々な始動に選択的に反応するように構成してもよい。これによってデバイスの一つ以上の薬剤貯蔵器から被検者の所望の解剖学的領域へ一つ以上の薬剤の選択的な制御された放出が可能となる。このように、デバイスは活性形態で薬剤を保持して、それを必要になるまで薬剤貯蔵器内に封鎖して保つようにしてもよい。或る薬物送達デバイスは、複数の薬物の送達を制御して複合材投与計画を与えるように構成してもよい。これに代えて、或いはこれに加えて、薬物送達デバイスは、同一又は異なる薬物の連続投与を与えるように制御された送達をなして、期間延長された投薬治療を与えるように構成してもよい。従って、薬物送達デバイスは長期間(例えば、数週間、数ヶ月間又は長年)に亘って、度重なる侵襲的外科的処置を施すことなく、薬剤投与計画をなすように構成してもよい。] [0039] 例えば、薬物、エネルギ、その他を送達する治療的なデバイスとしての機能に加えて、本明細書に説明されるデバイスは、診断動作を実行することができる機構を含むように構成してもよい。例えば、このデバイスは、一つ又は複数の目標組織又はデバイスに隣接する領域の一回又は複数回の分析評価を実行するように構成された機構を含んでもよい、或る変形例では、診断機構は、対象の一つ以上の生理パラメータ又は環境症状を検出するために、一つ以上のセンサを含む。このセンサは、検出されたパラメータ又は症状に基づいて信号を発して、直接又は間接的に治療を開始するようにしてもよい。 1.デバイス] [0040] 一般に、薬物送達デバイスは、被検者に移植されるように構成されている。デバイスは一つ以上の貯蔵器を備えてもよく、その各々が薬剤を装填するように構成される。以下に更に詳細に説明するように、貯蔵器は薬剤で予め充填してもよく、施術者又は他のユーザーによって充填してもよい。勿論、一つの薬剤貯蔵器は、一つよりも多くの薬剤を包含してもよい。単独の貯蔵器が一つよりも多くの薬剤を包含するならば、薬剤は、同時にでも、異なる速度でも、或いは個別に放出してもよい。] [0041] 既に述べたように、貯蔵器は刺激によって始動された後に一つ以上の薬物を放出してもよい。任意の適宜な刺激を使用してもよい。例えば、刺激は光学的、機械的、化学的、電気的、音響的(例えば超音波)、高周波、他の放射性のもの(例えば、電離放射線)、及及び/又は自然の熱でもよい。一旦始動されたならば、貯蔵器はその内部に包含された薬物を任意の適宜な方法で放出してもよい。例えば、薬物は、能動的機構(例えば、ポンプ、注射器、その他)によって能動的に放出してもよく、或いは受動的(例えば、拡散、分解、ポリマー浸食、その他による)に放出してもよい] [0042] 薬物を放出するために貯蔵器を始動させた後に、薬物は任意の適宜な放出プロファイルによって放出してもよい。例えば、連続的放出、脈動状放出、突発的放出(即ち、多量の初期放出)、ボーラス放出(即ち、全ての貯蔵器は、刺激による始動の直後に空になる)、又はゼロ時放出プロファイルが有益であろう。他の変更された薬物放出プロファイルも考えられる。例えば、貯蔵器は薬物の調節された放出(即ち、長時間に亘って調節された放出率)又は徐放(即ち、薬物は時間と共に緩慢に放出されるが、調節された放出は必要としない)のために構成してもよい。] [0043] デバイスは、任意の数及び組合せの貯蔵器を備えてもよい。例えば、デバイスは1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個又は20個以上の貯蔵器を備えてもよい。複数の貯蔵器が採用されるとき、それらは個々に或いはグループごとに選択的に始動して一つ以上の薬物を放出するようにしてもよい。例えば、デバイスの複数の貯蔵器のうち、第1の貯蔵器若しくは第1の複数の貯蔵器グループは、第1の刺激に応答して、一方、複数の貯蔵器のうち、第2の貯蔵器若しくは第2の複数の貯蔵器グループは、第1の刺激には応答せず、第2の刺激に応答するが、第1の貯蔵器若しくは第1の複数の貯蔵器グループは、第2の刺激には応答しないようにしてもよい。デバイス内の複数の能動的な貯蔵器を選択的に始動させることは、任意の順序で実行してもよく、同時に実行してもよく、或いは任意の適宜な時間的間隔を介して実行してもよい。] [0044] デバイスは、例えば、一つ以上の薬物を放出するか、又はエネルギを供給する治療部分に加えて、診断部分を含むように構成してもよい。治療及び診断機能をデバイスに含めて、開ループ・システム又は閉ループ・システムの何れかを形成するようにしてもよい。 開ループ・システムにおいては、診断部分は、治療機能を間接的に始動させる信号を生成する診断機構を含んでもよい。例えば、診断動作が目標組織を特定する診断機構によって完了した後、診断機構は、ユーザー(観察者)、例えば、医者によって身体の外側で検出される信号を発するか、或いは表示させるようにしてもよい。検出された信号は、デバイスの治療部分を始動させて治療を与えることユーザーに指示してもよい。或いは、発せられた信号は、患者によって検出されるようにしてもよい。閉ループ・システムが採用されるとき、開ループ・システムに関係する同様な段階が起こるが、デバイスの治療部分は発された信号によって治療的機能を与えるために直接に始動される。そのような二重機能デバイスは、開ループ・システム又は閉ループ・システムにおいてどのように使用し得るかについてのより詳細な説明を以下に示す。 A.デバイス構成] [0045] 薬物送達デバイスは、それら使用についての意図された一つ又は複数の領域に適する任意の形態、幾何学形状、及び/又は寸法を有していてもよい。例えば、デバイスは一つ以上の貯蔵器からなる単一のボディを備えてもよく、或いは各々が一つ以上の薬剤貯蔵器を含み得る複数のボディ区間を備えてもよい。デバイスの或る変形例は、薬剤貯蔵器を含まない複数のボディ区間、例えば繋留、視覚化、及び/又は他の補助的目的のための複数のボディ区間を備える。複数のボディ区間を備える変形例では、それらのボディ区間は相互連結されていてもよく、相互連結されていなくてもよい。多くの例では、デバイスは、このデバイスを被検者の生体構造(例えば、眼の硝子体空洞)に適合させることを支援するために、少なくとも部分的に可撓にしてもよい。例えば、デバイスは可撓性ボディ、又は比較的に剛なデバイス・ボディ区画(これは例えば可撓性部材へ相互連結させてもよい)を備えてもよい。眼に用いられる薬物送達デバイスは、硝子体空洞、網膜、強膜、角膜、結膜、或いは眼窩又は眼自体の内部の任意の空隙又は潜在的空隙へ移植するように設計してもよい。例えば、デバイスが硝子体内に移植すべきであるならば、このデバイスは、網膜組織又はレンズに達しない寸法にして、それらの領域に対する視力への干渉及び/又は怪我の可能性を低減するようにしてもよい。] [0046] デバイス内の複数の貯蔵器は、任意の適宜な形態を有してもよい。例えば、貯蔵器は長、幅に沿って、及び/又はデバイス・ボディの外周まわりに分布させてもよい。貯蔵器は、任意の形式の配列(例えば、線形配列、二次元配列又は3次元配列)に配置してもよい。他の変形例では、デバイスは、単独のデバイス・ボディ内には配置されておらず、その代わりに別々のボディ区画内に配置された貯蔵器を備えてもよい。これらの例では、貯蔵器は一緒に結合するかもしれないか、結合しないかもしれない複数のデバイス・ボディ区画に配置してもよく、それらのデバイス・ボディ区画は、相互に連結されていてもよく、相互に連結されていなくてもよい。] [0047] デバイス内で、貯蔵器それ自体は様々な構成を有してもよい。例えば、貯蔵器はデバイス・ボディ内の開放した中空体積を備えてもよく、或いは、それらは一つ以上のプラグ、交換貯蔵器、又はそれに代わるものをデバイス・ボディに挿入してもよい。貯蔵器は、同一デバイス内で同じ又は異なる寸法及び/又は形状を有してもよい。例えば、デバイス・ボディは複数の同様な又は等しい寸法の区画を備えてもよく、それらの区画の単独の一つは或る貯蔵器を形成するために用いてもよく、それらの区画の複数のものは同一のデバイス内の他の貯蔵器より大きい貯蔵器を形成するように互いに接合してもよい。隣接した貯蔵器は、任意の適宜な種類の分離部材を利用して、互いに隔ててもよい。例えば貯蔵器は、非浸透性遮蔽体(例えば、堅牢な壁)、浸透性遮蔽体、又は弁(例えば、貯蔵器へ装填させられるが、貯蔵器からの逆流を防止する一方向弁)で分離してもよい。例えば、貯蔵器は、その内容物を貯蔵器の間で移動させることが望ましいならば、注射器により浸透させられる自己封止型膜により、或いは浸透性又は半浸透性膜により隔ててもよい] [0048] 更に貯蔵器は、その貯蔵器内の薬物を包含するように工夫された一つ以上のキャップを備えてもよい。キャップは貯蔵器の一部をなすようにして貯蔵器の装填に続いて閉止又は封止するか、或いは、キャップは装填の後から加えて密封するようにしてもよい。或る変形例では、キャップは単独の層から形成してもよい。他の変形例では、キャップは複数の層から形成してもよい。例えば、或るキャップは、固体層によって覆われる浸透性層若しくは半浸性層を備えてもよい。固体層の開口部が形成された後、薬物は、その下の浸透性層若しくは半浸透性層を通じて拡散するであろう。キャップは、キャップの横方向寸法全体に配置された一つ以上の区画からなるようにしてもよく、例えば、貯蔵器の頂部を横断してもよい。例えば、貯蔵器上のキャップは、刺激に反応して、その貯蔵器内の薬物を放出するようにされた目標領域を備えてもよい。それらの変形例は以下に更に詳細に説明する。] [0049] 添付図面を参照すると、眼(例えば、眼の硝子体空洞、或いは眼窩又は眼自体の内部の任意の間隙又は潜在的間的間隙)への移植のための細長い薬物送達デバイスの一例が図1A及び図2Bに示されている。そこでは、薬物送達デバイス100は、デバイス・ボディ101と複数の貯蔵器102とを備える。この特定の例では、貯蔵器102はデバイス・ボディ101に沿って線形配列で配置される。これらの貯蔵器102は複数の分離部材106によって隔ててもよく、その分離部材は、上述のように、膜、弁及び/又は壁を備えてもよい。デバイスが硝子体空洞に移植されるならば、デバイスが視野に入いらないように、及び/又は網膜組織又はレンズ域に損傷を与えないように、デバイスの寸法を決定できるであろう。このように、細長いデバイス100は、例えば、長さ110(これは最大約1.0Cm、細大約0.8Cm、最大約0.6Cm、又は最大約0.5Cm)を有してもよい。他の変形例では、デバイスは長さ約3.5mm以下であろう。更に他の変形例では、デバイスは長さ約1.0mm以下であろう。図1A及び図1Bに示される例では、デバイス100の各々の貯蔵器102は、薬剤剤103を装填されるように構成されている。デバイスの移植前又は移植後に、薬剤はデバイスに予め装填されるか、或いは施術者又は他のユーザーによって装填してもよい。更に、図1Aに示されるように、デバイス100は細長い送達構成を有し、それはカニューレ(例えば、20ゲージ、21ゲージ、23ゲージ、25ゲージ、30ゲージ又は更に小さなカニューレ)に嵌合するようにしてもよい。屈曲して移植された配置構成を図1Bに示す。送達及び移植構成からなるデバイスの更なる例については以下に更に詳細に説明する。] 図1A 図1B 図2B [0050] 図1A及び図1Bに示される特定のデバイスの実施形態は、円筒状横断面、貯蔵器の線形配列、及び単一のデバイス・ボディからなるものとして図示されているが、他のデバイスは任意の適宜な断面形状、単一又は複数の区画化デバイス・ボディ、及び貯蔵器の任意の分布を有してよい。例えば、デバイスは、四辺形、楕円形、多面形、又は不規則な横断面を持つようにしてもよい。デバイス機能の様々な組合せの非限定的な例を図2A乃至図2Fに示す。先ず図2Aを参照すると、デバイス200は可撓性デバイス・ボディ201からなり、これは正方形又は長方形の断面形を有する。このデバイス・ボディ201は、選択的に複数のボディ区画202からなるようにしてもよい。デバイス・ボディ200は、膜、壁、又は弁(図示せず)によって隔てられていてもよい。デバイス200は一つ以上の薬剤貯蔵器204を備え、これはデバイス長207に沿って、デバイス幅209に沿って、及び/又はデバイス円周208のまわりに分布させてもよい。] 図1A 図1B 図2A 図2F [0051] ここで図2Bを参照すると、デバイス210は楕円横断面を有するシリンダー状デバイス・ボディ211を備える。デバイス210は、複数のボディ区画212を備えてもよく、その複数の区画は例えば膜壁、又は弁によって隔ててもよい。デバイス210は、一つ以上の薬剤貯蔵器214を備える。この変形例では、薬剤貯蔵器214は、ボディ区画212の体積の相当な部分を備える。デバイスの他の変形例を図2Cに示す。ここでは、デバイス220は、六角形の横断面を有する管状デバイス・ボディ221を備える。ここでもまた、デバイス・ボディ221は、複数のボディ区画222を有してもよい。デバイス220は、一つ以上の薬剤貯蔵器224を備える。この変形例では、薬剤貯蔵器224は、デバイス長227とデバイス円周228の周囲との両法に沿って分配される。このように、この特定の実施形態において、貯蔵器はパイ形の横断面229の体積を有する。] 図2B 図2C [0052] デバイスは、単独のデバイス内でデバイス・ボディ区画の様々な配列を有してもよい。例えば、デバイス・ボディ区画は相互に隔ててもよく、或いは、それらを相互接続してもよい。或る変形例では、デバイスは鎖状若しくは「真珠の数珠」状形態を有してもよい。そのようなデバイスの一例を図2Dに示す。ここでは、デバイス230は、一つ以上の結合要素233により相互に連結された複数のボディ区画231を有し、その結合要素は、例えば一つ以上の縫合からなる。ボディ区画231は、一つ以上の結合要素233に対して固定的に又は摺動可能に結合してもよい。ボディ区画231は、任意の適宜な形状又は形状の組み合わせ、例えば、球面形、卵形、或いは立方骨状を有してもよい。ボディ区画231の各々は、一つ以上の薬剤貯蔵器234を備えていてもいなくてもよい。] 図2D [0053] 上述したように、デバイスは互いに分断し得る複数のボディ区画を備えてもよい。図2Eを参照すると、デバイス240は、複数のボディ区画241及び241’からなるハウジング要素245を備える。ボディ区画241及び241’は互いに恒常的に結合しないが、むしろ移植の際にはハウジング要素245から解放されてもよく、眼窩又は眼の硝子体又はその他の部分において、例えば浮遊性になり得る。図示のようにハウジング要素245は複数のハウジング領域247を備えてもよい。各々のハウジング領域は、その中に個別に収容されたデバイス・ボディ区画を放出するように構成してもよい。このように、図2Eに図示される例については、ボディ区画241’はボディ区画241に先だって放出されてよく、或いはその逆でもよい。ボディ区画241及び241’の各々は、それぞれ一つ以上の薬剤貯蔵器244及び244’を備えていてもよい。或る例においては、或るボディ区画は薬剤貯蔵器を含まなくてもよい。図2Eに図示されるそれのようなデバイスは、薬剤投与計画の連続的又は順次投与の管理に用いてもよく、その第1回目の投与量はボディ区画241’における貯蔵器内に包含されており、第2回目の投与量はボディ区画241における貯蔵器内に包含されている。デバイスの更に他の変形例は、曲がり、屈曲、螺旋状、コイル状、蛇行状、ジグザク状、及びその他の非線形形式のデバイス・ボディ構造を備えてもよい。ここで図2Fを参照して、デバイス250は、少なくとも部分的にジグザク形態に倣うデバイス・ボディ251を備える。デバイス・ボディ250は、デバイス・ボディ251の長さ256、幅257、及び/又は円周258に沿って任意の方式で分配された一つ以上の薬剤貯蔵器254を備えてもよい。各図には特定の個数の貯蔵器、並びに特定の形状、寸法、幾何形状、及び形態等を有するデバイスを図示してあるが、任意の適宜な数の貯蔵器をデバイスに含めてもよく、また、デバイスは任意の適宜な形状、寸法、幾何形状、及び形態有してもよい。 デバイスは、眼の内側に嵌合するように形付けてもよい。更に以下に説明するように、このデバイスは第1の送達形態と第2の移植形態を有してもよい。] 図2E 図2F [0054] 他の変形例では、デバイスは治療に加えて診断機能を与えるように構成される。これらの二重機能デバイスの或る変形例はデバイスの個別の部分又は領域に診断機構(例えば、センサ)と治療機構(例えば、貯蔵器)を含むが、デバイス上の機構の任意の形態又は組織化を採用してもよい。例えば、診断機構と治療機構とはデバイスの個別の領域に位置してもよく、或いは、これらの機構は組織化形態にしなくてもよいが、デバイス上で互いに点在させてもよい、] [0055] 診断機構は一つ以上の検体又はセンサとすることができるが、それらには制限されない。或る変形例では、検体は身体の組織流体、空隙等内の検体のレベルを測定するのみならず、検体を検出するように構成してもよい。検出し得る検体の非限定的な例は、ヘモグロビン、ブドウ糖、炎症性媒体(例えばVEGF及びサイトカイン)、光受容器因子、網膜色素被覆組織(RPE)関連因子、網膜因子及び薬物を含む。検体及びセンサは、眼の生理的パラメータ又は環境状態を検出及び/又は測定することが可能であり、これもまた有益である。例えば、検体及びセンサは、任意の眼領域、例えば硝子体腔、網膜、強膜、角膜、結膜、或いは、眼窩又は眼自体の任意の空隙若しくは潜在的空隙におけるステロイド、ラパマイシン、又はアルファ(α)—VEGFを検出する能力があり、これも有益である。眼圧と血圧のようなパラメータを決定するセンサも有益である。] [0056] 様々な形式のセンサは、診断機能を実行するためにデバイスに含めるようにしてもよい。例えば、光学的、熱的、電気的、機械的、圧力、音響、磁気、及び化学センサを用いてもよい。センサ、検体、又はその他の診断構成を用いて眼の特定のパラメータ又は症状が検出されたならば、デバイスのセンサ、検体、他の診断機構、又は、診断部分は、治療を開始を求める信号を発してもよい。例えば、その信号は、バイナリ、量子化、光学的、音響的、デバイス若しくはデバイス付近に隣接する領域の色の変化、デバイスの形状変化、物質(例えば、フルオレセイン染料)の放出、エネルギ放出、及び(例えば振動による)デバイスの運動を含んでもよい。この信号は、例えば施術者(ユーザー又は監視者)、患者、デバイスの治療部分又は他のデバイス(例えば、ワイヤレス探知器)によって検出されてもよい。] [0057] ここに説明した二重機能デバイスは、開ループ・システム又は閉ループ・システムの何れを形成してもよい。図10Aに示される変形例において、薬物送達デバイス1000は、治療部分1002と診断部分1004を含む。前述のとおり、治療部分1002は、一つ以上の薬剤貯蔵器1006を有してもよい。診断部分はセンサ1008のような一つ以上の診断機構を含んでもよく、それは生理的パラメータ又は環境状態の変化を検出して、その変化を示すことができる。一つの変形例においては、デバイスは注射又は配置換えの後に形状変化を被るように設計されている。その特定の実施形態において、形状変化は、それぞれ、症状検出と薬物放出のためのセンサ及び貯蔵器の再位置決めの最適化、或いは視覚的干渉又は他方の眼の機能と干渉の最小化けるか、他の目機能に対する視覚の干渉又は干渉を最小にするために有益であろう。] 図10A [0058] 図10B乃至10Dに図示されているように、開ループ・システムが使用されるとき、対象のパラメータ又は症状が検出されると(図10B)、センサ1008は信号1110を発する。信号1110が検出器1112(図10C)により検出されると、この情報はユーザー(例えば施術者)へ送信されて、そのユーザーは一つ又は複数の貯蔵器を始動させて薬物1114を送達する(図10D)。ここで貯蔵器は、検出された信号に応じて薬剤を放出するように間接的に始動される。例えば、開ループ・システムが眼に用いられるとき、二重機能デバイスは、VEGFのレベルの増加を検出すると、直ちに色を変えるセンサを含むように構成してもよい。検眼鏡で眼を調べている眼科医は、色の変化を観察して、他のデバイスを用いてデバイス上の貯蔵器を起動して薬物、例えば抗(α)VFGFを放出する。図10E乃至図10Gに示されるように、閉ループ・システムが使用されたとき、センサ1108は、対象(図10E)のパラメータ又は症状の検出の後、信号1110を発するが、デバイス1002の治療部分の貯蔵器1006は、信号1110(図10G)の発信により薬物1114を直接に又は自動的に始動して、薬物を1114を放出する。] 図10B 図10C 図10D 図10E 図10G [0059] ここで説明した二重機能デバイスの寸法は、通常は移植の領域に基づいて決定される。例えば、眼に移植されるデバイスは、視野に干渉してはならず、或いは網膜組織又はレンズ領域に損傷を引き起こしてはならない。二重機能デバイスは、例えば、最大約1.0Cm、最大約0.8Cm、最大約0.6Cm、又は最大約0.5Cmの長さを有してもよい。或る変形例では、二重機能デバイスは、約3.5mm又は約1.0mm以下の長さであろう。このデバイスは、任意の適宜な断面形としてもよい。例えば、それらは横断面で円筒形、楕円形、四辺形、多面形、又は不規則形状としてもよい。] [0060] 二重機能デバイスは、カニューレ、一般的には20ゲージ又は更により小さなカニューレを用いて移植してもよい。例えば、二重機能デバイスは、21ゲージ、22ゲージ、23のゲージ、25ゲージ又は30ゲージ又は更により小さなカニューレを用いて移植してもよい。デバイスを眼内へ移植際に用いるのは、30ゲージ・カニューレ(針)が有益であろう。カニューレは、眼の特定の目標領域、組織、空隙又は結膜下腔へアクセスする導入体として用いてもよい。例えば、デバイスは硝子体腔、網膜、強膜、角膜、結膜又は潜在的空隙に移植してもよい。或る変形例では、デバイスは眼の外面に置かれる。或る方法は、結膜又はTenon層の切開に関係しており、インプラントを結膜下腔又はTenon層下に位置させることができる。デバイスそれ自身は、カニューレから展開させるために、カニューレ内へ摺動的に収容できるプッシャー(例えばワイヤー又はロッド)を用いてもよく、或いは流体、例えば生理食塩水又はヒアルロン酸組成を用いてもよい。或る実施形態では、カニューレ及び/又はプッシャーは、それらがどの位進んだかを示すようにマーキングを与えてもよい。] [0061] 或る変形例では、被検者の生体構造からデバイスの回収を可能とするように、デバイスが被検体へ移植された後でもデバイスの再位置決めを可能とするように、及び/又は被検者の解剖学構造の位置へのデバイスの固定を可能とするように構成された一つ以上の繋留体及び/又は他の位置決め機構を備えてよい。ここで図3Aを参照すると、薬物送達デバイス300は、デバイス・ボディ301の基端部303に取り付けられた繋留体302を備える。繋留体及び/又は他の位置決め機構はデバイスの一端へ取り付ける必要はないが、デバイス・ボディのどの部分へ取り付けてもよい。繋留体及び/又は他の位置決め機構は、任意の適宜な材料、例えば縫合から形成してもよい。デバイスの或る変形例は、デバイスが複数の繋留体及び/又は位置決め機構、又は単独の繋留体又は位置決め機構を備えていてもよく、これらは複数の位置、例えば二つの異なる位置でデバイスへ取り付けられる。ここで図3Bを参照すると、デバイス310は繋留体312及び314を備え、これらはそれぞれデバイス・ボディ311の対向端313及び315に取り付けられている。この薬物送達デバイスの変形例では、繋留体312及び314は、デバイス310を概ね反対方向へ引っ張って、位置決め、移動、及び/又はデバイス310を固定するために用いてもよい。] 図3A 図3B [0062] 或る形態では、移植中に、繋留体又は他の位置決め機構が少なくとも部分的にデバイスの湾曲を制御するために用いてもよい。ここで図3Cを参照すると、デバイス320は、デバイス・ボディ321の末端部326に取り付けられた繋留体322を備える。この繋留体322は、デバイス・ボディ321の基端部327に位置する穴又はループ328に通される。従って、繋留体322を基端部方向へ引っ張ると、末端部326は基端部327の方へ曲がり得る。デバイス・ボディ321を真っ直ぐにするためには、繋留体322を弛ませていけばよいであろう。代替的に、もう一つの繋留体(図示せず)を末端部326に取り付けて、基端部327に設けられたもう一つの穴又は輪(図示せず)に通してもよい。この更なる繋留体に適用される張力は、デバイス・ボディ321を真っ直ぐにするために繋留体322により与えられた力に対向する力を加えるために用いてもよい。繋留体323は、基端部326へ取り付けて、デバイス320を位置決め、固定及び/又は移動するために用いてもよい。デバイスの様々な変形例の任意のものは、繋留体322又は他の位置決め機構を備えてもよく、この繋留体及び/又は他の位置決め機構は、被検者の生体構造のアクセス可能な点で外側に装着してもよい。例えば、目に移植されるデバイスについては、繋留体及び/又は他の位置決め機構は、結膜下に繋留体を通過させることにより、眼の外側へ送ってもよい。眼に移植されるデバイスの他の変形例では、繋留体及び/又は他の位置決め機構は、例えば強膜へ例えば縫い付けて取り付けて、デバイスを固定するようにしてもよい。] 図3C [0063] 上述したように、デバイスの変形例は、繋留体に加えて、若しくは繋留体に代えて、位置決め機構又はアタッチメントを備えて、デバイスを解剖学的機構内に位置させて、及び/又はデバイスを被検者の生体構造に固定するようにしてもよい。そのような位置決め機構又はアタッチメントは、縫合、フック、小穴、ステイプル、アンカー、接着剤、及び/又はその他のものを含んでもよい。アタッチメントは、比較的に恒久的であるか、又は一時的であるように意図されていてもよく、例えば、生物分解可能な縫合、ステイプル、及び/又は接着剤である。] [0064] 或る変形例では、ここで説明された薬物送達デバイスは、第1の送達形態と第2の移植形態とを備えてもよい。例えば、薬物送達デバイスは、或る状況では、例えば、20ゲージ又はより小さなカニューレ、例えば21ゲージ、22ゲージ、23ゲージ、25ゲージ、又は30ゲージ、或いはより小さなカニューレによって患者に移植されるように構成してもよい。送達形態は、細長くして、圧縮して、及び/又は折り曲げて、例えば移植形態は膨らんで、少なくとも部分的には折り曲げられておらず、及び/又は屈曲してもいてもよい。送達形態に対して膨らんだ移植形態は、一次元、二次元、又は三次元に膨らんでもよい。例えば、送達形態を細長くして、一方、それに対応する移植形態を膨らませて、屈曲、旋回、又は湾曲を有する少なくとも一つの領域を備えるようにしてもよい。他の変形例では、デバイスは少なくとも部分的には形状記憶材料で制作して、(例えば、被検者の身体からの)熱が、デバイスの形状記憶部分をデバイスの送達形態からその移植形態へ変換するようにしてもよい。使用可能であろう適宜な形状記憶材料の非限定的な例は、形状記憶合金(例えばニチノール)、及び形状記憶ポリマー(例えばオリゴ(ε-カポラクトン)アクリル酸ディメタ及びn−アクリル酸ブチル)を含む。] [0065] 様々なデバイスのための例示的な送達及び移植形態は、図4A乃至図4Dに示されており、デバイス400は細長い送達構成401を備え、これは、この特定の例では、カニューレ402内に嵌合する。図に示すように、移植形態401’は少なくとも一つの旋回若しくは湾曲を有してもよい。これらのデバイスの或るものにおいては、移植形態401’は、複数の旋回若しくは湾曲を備えてもよい。このようなデバイスは、部分的に形状記憶材料、例えば形状記憶合金又は形状記憶ポリマーから構成して、形態変化を誘発するようにしてもよい。ここで図4Bを参照すると、デバイス410は、圧縮された送達形態411を備えており、これはカニューレ412に嵌合するであろう。移植の際に、デバイス410は拡張された移植形態に411’に適合するようにしてもよい。この例に示されたデバイス410は、開放形状を有して示されているが、デバイスの他の変形例は、閉止形態を有していてもよい。図4Cにおいて、その送達形態421におけるデバイス420は少なくとも一つの屈曲423を含む。この例では、屈曲送達形態421はカニューレ422内へ嵌合する。移植に際しては、少なくとも一つの屈曲422は、部分的に曲げられておらず、膨らんだ移植形態421’へ至るようにしてもよい。デバイス420はここでは図示の単純化のために、単独の屈曲を図示してあるが、一つより多くの屈曲を有するデバイス、例えばアコーディオン状に曲げられたデバイスも意図されている。更に、移植デバイス形態421’は、 概ね矩形状の断面形状を有するように図示してあるが、屈曲デバイスの他の形態も意図されており、これらは、概ね丸められた若しくは卵形断面形状を伴う対応する移植形態を有する。図4Dは、送達形態と移植形態とを有するデバイスの更に他の変形例を示す。ここでは、デバイス430は、圧縮されたシート状形態431を備えており、これはカニューレ432内に嵌合するように設計し得る。移植の際には、デバイス430は拡張された3次元形態431’(例えば、箱状形態)に適合するようにしてもよい。これらの変形例では、薬剤は一つ以上の壁436の貯蔵器内に包含されてもよく、或いは、それに代えて、又は、それに加えて、一つ以上の薬剤は、デバイス430がその移植形態431’へ拡大する際に形成される容積438へ装填されるようにしてもよい。図4A乃至図4Dに示された任意の一つのカニューレ(402、412、422又は432)は、例えば、20ゲージ、21ゲージ、22ゲージ、25ゲージ、又は30ゲージ或いはより小さなカニューレとしてもよい。 B.デバイスを製造するため材料] 図4A 図4B 図4C 図4D [0066] 薬物送達デバイス又はその部分は、任意の適宜な生体親和性材料又は生体親和性材料の組合せから形成してもよい。例えば、一つ以上の生物学的適合性のポリマーは、デバイス、又はデバイスの部分(例えば、デバイス・ボディ及び/又は貯蔵器)を制作するため用いてもよい。例として、デバイスは少なくとも一部はシリコーン・ラバー、又はシリコーン・エラストマーから製造してもよい。他のデバイスは、生体親和性材料から制作されてもよく、これは、例えば、メチルメタアクリル酸)(MMA)、ポリメチルメタクアクリル酸(PMMM)、ポリエチルメタアクリル酸(PEM)、及び他のアクリル基ポリマー、ポリオレフイン(例えばポリピレン及びポリエチレン)、酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリビニールピロリドン、2−ピロリドン、ポリアクリロニトリル・ブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド類、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、TEFLON(商標名)ポリマー)のようなフッ素重合体、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル、酢酸セルロース、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエステル類、ポリイミド、天然ラバー、ポリイソブチレン・ラバー、ポリメチルスチレン、並びに共重合体とそれらの混合体を含む。更に、添加物をポリマー及びポリマー混合体に加えて、所望によりそれらの特性を調節してもよい。例えば、生体適合性可塑剤をポリマー処法に加えて、デバイスの少なくともその一部の可撓性及び/又は浸透性を増大させるために用いてもよい。他の例では、生体適合性充填剤、例えば特定の充填剤、ファイバ及び/又はメッシュを添加して、デバイスの一部分へ機械的強度又は剛性を与えるようにしてもよい。] [0067] 上述したように、デバイスの或る変形例は、浸透性又は半透性の膜又は層を含む。任意の適宜な材料を用いてデバイスに浸透性又は半透性の膜又は層を形成してもよい。浸透性又は半浸透性膜を通じて拡散する薬剤に応じて、適宜な材料の非限定的な例は、以下を含んでもよい。即ち、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド類、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリビニールフッ化物、ポリビニルアルコール、ポリビニールエステル類、ポリビニール酪酸塩、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロエーテル、ポリメチルメタクリレート、セルロース、ゼラチン、シリコーン・ラバー、他の多孔性ラバー、並びに混合体及びその共重合体である。勿論、重合体層の浸透性は、機械的技術を用いて変動若しくは転換させることができ、これは例えば層における多孔性などの微細な特性を設けたり、層の厚さを選択したり、或いはメッシュを形成することによる。] [0068] デバイスの或る変形例は、一つ以上の生体分解性ポリマーを備えてもよい。生体分解性ポリマーをデバイスの一部として用いてもよく、例えば、貯蔵器に包含されている薬剤を能動的に放出するように構成された貯蔵器壁又はキャップとしてもよい。それに代えて、又はそれに加えて、生体分解性ポリマーを、薬剤を含むマトリックス又はケーシングとして用いて、薬剤の送達が少なくとも或る程度には、マトリックス又はケースの分解により調整されるようにしてもよい。生体分解性ポリマーは、長期間、例えば、少なくとも約6ヵ月以上又は少なくとも約1年、或いはそれ以上に亘って浸食されるデバイス・ボディを備えるデバイスを構成するために用いもよい。この例では、貯蔵器からの薬物放出の継続期間は、デバイス・ボディが分解するのに要する時間より短くしてもよい。この分解の延長された期間を達成するには、多くの生体分解性ポリマー又はその亜類型、組み合せ体、混合体、合又はその架橋結合を用いてもよい。] [0069] 適宜な生体分解性ポリマーの非限定的な例は、以下を含む。即ち、アルギン酸塩、セルローズ及びエステル、コラーゲン、デクストラン、エラスチン、フィブリン、ポリサッカリド、ヒアルロン酸、ポリアセタール、ポリアクリル酸(L−チロジン−派生又は遊離酸)、ポリ(β−ヒドロキシエステル)ポリアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリアルキレン・アルキレイテス、ポリアルキレン・オキシレイテス、ポリアルキレン・コハク酸エステル、ポリアンヒドライデス・エステル、ポリアンヒドライデ、ポリアスパーテミック酸、ポリラクティック酸、ポリブチレン・ジグロクレイト、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)/ポリ(エチレン・グリコール)コポリマー、ポリカーボン、L−チロシン派生ポリカーボネイテス、ポリシアノアクリレート、ポリジヒドロピランズ、ポリ(ダイオキシアノネ)、ポリ−P—ダイオキシアノネ、ポリ(ε−カプロラクトン−ジメチルトリメチレン・カーボネイト)、ポリ(エステルアミド)、ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリ(エーテルスター)、ポリエチレン、グリコール/ポリ(オルトエステル)コポリマー、ポリ(グルタルニック酸)、ポリ(グリコリック酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレン・グリコール)コポリマー、ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチド共カプロラクトン)、ポリ(DL共グリコリド)、ポリ(ラクチド共グリコリド)/ポリ(エチレン・グリコール)コポリマー、ポリ(ラクチド)ポリ(エチレン・グリコール)コポリマー、ポリペプチド、ポリポスファゼン、ポリポスエステル、ポリポスエステル・ウレタン、ポリ(プロピレン・フマル酸エステル共エチレン・グリコール)、ポリ(トリメチレン・カーボネイト)、ピリチロシン・カーボネイト、ポリウレタン、ポルラスチン(PoLastin)又は絹エラスチン・ポリマー、クモ糸、テファフレックス、ターポリマー(グリコリドのコポリマー又はジメチルトリメチレン・カーボネイト)、及び組み合わせ、混合体、或いは、それらのコポリマーである。 C.デバイスによる送達のための薬物] [0070] 薬物送達デバイスは、任意の適宜な薬剤又は薬剤の組合せを被検者へ送達するように構成してもよい。用語「薬物」と「薬剤」とは、本明細書を通じて交換可能に用いられていることに留意されたい。薬物及び薬剤は、事実上、例示的な又は診断のためのものとしてもよい。診断薬剤は物質の存在又は量についての指標として用いてもよく、これが次いで疾病の症状若しくは程度の指標となり得る。診断薬物の非限定的な例は、撮像技術(例えば超音波、磁気共鳴撮像法、コンピューター断層撮像、陽電子放射断層撮像、電子スピン共鳴及び光学的画像形成(例えば、蛍光画像形成)のための造影剤を含む。治療薬剤は、抗炎症剤(例えば、ステロイド性又は非ストロイド性)、抗感染薬剤(例えば、抗生物質、抗真菌薬、駆虫剤、抗ウイルス剤及び消毒剤)、抗アレルゲン、抗コリン様作働薬及び拮抗薬、アドレナリン作用薬及び拮抗薬、抗緑内障剤、神経防護作用薬、白内障防止又は処置剤、酸化防止剤、抗ヒスタミン剤、抗血小板薬品、抗凝固剤、抗トロンビック剤、抗瘢痕剤、抗増殖剤、抗腫瘍剤、補足抑制剤(例えば、抗−C5a剤、及び抗−C5b剤を含む抗−C5剤)、鬱血除去薬、治癒プロモーター、ビタミン(例えば、ビタミンB及びその派生物、ビタミンA、デパクサペンテノール、及びレチノイン酸))、成長因子、成長因子阻害剤、遺伝子治療ベクトル、化学療法剤、プロテインキナーゼ抑制剤、小干渉性RNA、及びそれらのその組合せを含む薬剤の分類から選択してもよい。単独又は組合せ治療薬の一部として使用し得る薬物の非限定的な例は、Lucentis(商標名)(ranibizumab)、Avastin(商標名)(bevacizumab)、Macugen(商標名)(pegatanib)、ステロイド、例えば、デキサビタゾネ、トリアムシノロン、及びフルオロシノロン、タクソール状薬剤、血管内成長因子(VEGF)、トラップ(afribercept)、anecortave酢酸塩(Retaane)、及びlimus系組成物を含む。組成物のlimus系の構成物の非限定的な例は、水溶性類SDZ−RAD、タクロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、ゾタロリムス、CCI—779C(Wyeth)、AP23841(Ariad)、及びABT—578(Abbout Laboratories)及びそれらの類似物及び派生物を含む。] [0071] 複数の貯蔵器を備えるデバイスでは、その中に装填されている薬剤は、同一であってもよく、異なっていてもよい。或る変形例では、複数の薬剤は、組合せ薬物治療(例えば、複数の治療剤の同時送達を含む薬物同時投与治療及び/又は複数の治療剤の連続送達を含む薬物連続投与治療)の一部として選択されてもよい。デバイスは複数の貯蔵器に同一の薬物を装填させることにより同一の薬物の連続投与を与えるように構成してもよく、それは単位服用又は異なる服用としてもよい。例えば、デバイスは、時間の経過と共に活発に放出されるLucentis(商標名)の複数回の単位投与量又はLucentis(商標名)の複数量を保持していてもよく、またユーザー若しくは施術者が決定した適切な組み合わせで与えられるステロイドの一回以上の服用の保持するように構成してもよい。 D.薬物放出] [0072] 上述したように、貯蔵器はそこからの薬物の放出を可能とするように始動させてもよい。様々な刺激を貯蔵器からの薬剤放出を始動するために用いてもよく、これらは、光学的、高周波、他の放射性のもの(例えば、電離放射線)、機械的、化学的、電気的、電磁的、音響(例えば、超音波)、熱的、及び磁気的刺激並びにそれらの組合せを含むが、それらに限定されるものではない。貯蔵器の始動に続いて、その中に包含される薬物の放出は、能動的機構(例えば、ポンプ、注射器、その他)によってもよく、或いは受動的(例えば、発散又は溶融)でもよい。従って薬物自体の放出プロファイルは、任意の適宜な形式としてもよい。例えばデバイスは、連続放出、脈動的放出、突発的放出(即ち、多量の初期放出)、ボーラス放出(即ち、一回の刺激による始動に続いて貯蔵器全体が空になる)、又は0次放出プロファイルに従って薬物を放出するように構成してもよい。他の変更された薬物放出プロファイルも考えられる。例えば、貯蔵器は薬物の調節放出(即ち、長期期間に亘る放出の調節率)又は徐放(即ち、時間と共に緩慢に放出されるが、その放出の調節率は必要ない)をなすように構成してもよい。] [0073] 或るアプリケーションでは、例えば、眼への薬物送達は、光学的刺激を用いて貯蔵器からの薬剤放出を始動することが望ましいであろう。光学的刺激は非常に位置が特定されており、例えば集束又は比較的に小さなスポット・サイズを伴う小さな空間的領域を目標とするこが可能であり、例えば集束及び/又は空間的フィルタを通じて特定形状の空間的領域を目標とすることが可能であると共に、波長及び出力若しくはエネルギ密度に関しては切り換え得る。更に、光学的刺激は、電気刺激又は機械的刺激によって必要とされるような外部導線を必要としない。光学的刺激も比較的に非侵襲性であり、切開又は注射を必要としない。これらの要因の全ては、レーザーのような光源を用いて処置を実行する際に、周囲の組織への損傷又は影響のおそれを低減することになるであろう。] [0074] 薬物送達デバイスの或る変形例は、第1の薬剤を装填されるように構成された第1の薬剤と、第1の目標領域とを備えてもよくい。存在するならば、貯蔵器上の第1の目標領域は、第1の刺激に選択的に反応して、その貯蔵器からの薬剤放出を始動するように構成してもよい。目標領域は、任意の適宜な幾何学形状及び/又は形態を有してもよい。更に、目標領域は、任意の種類の刺激でも反応するように構成してもよく、その刺激は、例えば、光学的、高周波、磁気的、化学的、熱的、電気的及び/又は、音響的(例えば、超音波)刺激である。電離放射線(例えば、ベータ線又はガンマ線)を用いてもよい。目標領域は、一つ以上の個別の特徴を備えてもよく、貯蔵器壁の表面及び/又はキャップ上の例えば、よく規定された幾何学的形状、例えば点又は矩形、マークの配列、線及び/又はそれらに類似するものである。目標領域は、或る変形例では、貯蔵器の少なくとも一部分とは異なる材料で構成してもよい。目標領域は任意の適宜な方式、例えば塗布、浸漬、マスクを通じての適用、選択的なエッチング等によりデバイス上に形成又は塗布してもよい。他の変形例では、目標領域はより開放的及び/又は拡散的であってもよく、これらは一般に貯蔵器の表面、壁、キャップ又は他の部分を備えてもよい。そのような目標領域は、貯蔵器壁及び/又はキャップへ特定の放射周波数範囲内の周波数を有する刺激を吸収する一つ以上の放射線吸収体をドーピングするか、或いは一つ以上の磁気材料を貯蔵器壁及び/又はキャップに加えることによる。] [0075] 目標領域を備えるデバイスの或る例を図5A乃至図5Cに示す。先ず、図5Aを参照すると、薬物送達デバイス500は、各々が薬剤を装填するように構成し得る複数の貯蔵器501を含む。第1の貯蔵器501’は、第1の目標領域502を含み、第1の薬剤を装填するように構成されている。第1の目標領域502’は第1の刺激、例えば、第1の波長範囲以上の光を選択的に吸収する第1の光学的刺激に反応するように構成してもよい。第1の目標領域502’は、この例では、一つ以上の目標特性503(それは、例えば、個別に又は分離して識別可能な特性、例えば円形領域、スリット等)を備えてもよく、それらは第1の貯蔵器501’の壁上又はその部分上に置かれる。 このように、第1の刺激が第1の目標領域502’に影響を与えるとき、(例えば、第1の波長範囲の少なくとも一部において光が重なり合うのは、目標領域へ入射した際である)、第1の刺激と第1の目標領域との相互作用(例えば、第1の刺激が光学的であるならば、第1の目標領域による光の吸収)は、第1の薬剤の放出を誘発してもよい。他の貯蔵器501が目標領域を含んでもよく,含まなくてもよいことを指摘しておかなければならない。例えば、一つ以上の貯蔵器501は、その中に装填されている一つ以上の薬剤を受動的な方式で放出するように構成してもよい。デバイス内の貯蔵器が、一つ以上の薬剤を任意の順序又は同時に、或いは任意の適宜な時間間隔を介在して放出するように構成してもよいことも指摘しておかなければならない。例えば、一つの貯蔵器が薬剤の受動的放出のために構成されているならば、その薬剤の受動的放出は、他の貯蔵器からの薬剤の能動的放出に対して、先立ってもよく、同時でもよく、或いは後からでもよい。] 図5A 図5C [0076] デバイスの或る変形例に、一つの貯蔵器の目標領域は、複数の刺激に反応するように構成してもよい。例えば、図5Aの参照へ戻ると、第1の貯蔵器501‘上の第1の目標領域502’を形成する一つ以上の目標特性503は、別々の刺激に反応するように構成してもよい。或る変形例では、目標特性503は刺激(例えば、照射)されて、続いて段階的に貯蔵器501‘内の薬物を放出するように構成してもよい。この構成は、例えば、第1の貯蔵器501’を出る第1の薬剤の流速を調節するように選んでもよい。他の変形例では、一つ以上の目標特性503が、他の目標特性503とは異なる増感情剤(例えば光線感作物質)を含んでもよく、そのようにすることにより、異なる目標特性503の刺激を通じて第1の薬剤の放出を引き起こすためには、異なる刺激(例えば、光の異なる波長)が必要となるようにしてもよい。デバイスの更に他の変形例においては、目標領域は、一つよりも多くの層、例えば、第1の層及び第2層を備えてもよい。第1の刺激(例えば、第1の光学的刺激)は、第1の層にオリフィス又は開口を破断若しくは形成することを必要としてもよく、第2の刺激(それは光学的であるか否かは問わない)は、被検者へ第1の薬剤を放出するために、第2の層を破断することを必要としてもよい。] 図5A [0077] 層状の目標領域を使用する更に他の変形例では、第1の層にオリフィスを形成する第1の刺激は、第1の薬剤を貯蔵器から緩慢に放出するようにしてもよい。第2の刺激(それは光学的であるか否かは問わない)による第2の層の破断は、第1の薬剤はを貯蔵器からより迅速に放出するようにしてもよい。貯蔵器からの薬剤放出は、一つ以上の層における複数の若しくは一連のオリフィス形成により修正してもよく、或いは、層を形成するのに用いる材料の透過性を変化させる(例えば、材料の分子構造を変化させる)ことにより修正してもよい。] [0078] ここで図5Bを参照すると、薬物送達デバイス510は、各々が薬剤を装填するように構成し得る複数の貯蔵器511を含むデバイス・ボディ513を備える。この特定の例では、第1の貯蔵器511‘は第1の薬剤を装填するように構成されており、第1の目標領域512’を含む。第1の目標領域512‘は、第1の刺激(例えば、第1の波長範囲以上の光を選択的に吸収する第1の光学的刺激)に選択的に反応して、第1の薬剤の放出を始動するように構成してもよい。この変形例では、第1の目標領域512’は貯蔵器壁514の表面積の実質的な量を越えてもよく、これは貯蔵器壁514の例えば、約25%以上、又は約50%以上、又は約75%以上、又は約90%以上に亘ってもよい。] 図5B [0079] ここで図5Cを参照すると、薬物送達デバイス520は複数の貯蔵器521を含み、その各々は薬剤を装填するように構成してもよい。第1の貯蔵器521‘は第1の薬剤を装填するように構成されている。第1の貯蔵器521’は、第1の目標領域522‘を含んでもよく、これは第1の刺激(例えば、第1の波長範囲内の波長を有する第1の光学的刺激)により刺激された際、貯蔵器521’からの第1の薬剤の放出を引き起こす。この変形例では、第1の目標領域522’が、デバイス・ボディ523の周囲に延伸して、デバイス・ボディが移植された後に例えばデバイスが被験者の硝子体内、或いは眼窩又は眼それ自体の他の空隙若しくは潜在的空隙内で浮動可能であり、デバイス520が長手軸524回りに回転したとしても、外部刺激は依然として第1の目標領域‘へ指向できるであろうから、例えば第1の目標領域522’は依然として外部光源による照射を受け得る。同一のデバイス内の他の貯蔵器521は、周辺方向に延伸する目標領域522を含んでもよく、また別の貯蔵器は、他の幾何形状若しくは形態を有していてもよい。円周方向延伸目標領域は、デバイスの周囲の任意の適宜な部分の周りに延伸してもよく、これは例えば約90度、約180度、約270度、又は約360度である。これらのデバイスにおける目標領域は任意の発生源に鋭敏であってもよいが、これらのデバイスと共に使用するのに特に適するのは、目標領域の刺激のアライメントを単純化することにより、目標領域を狙う外部からの指向刺激、例えばレーザー又は他のビームであろう] 図5C [0080] 上述したように、デバイスの或る変形例は、選択的に第1の光学的刺激に反応するように構成された第1の目標領域を含む第1の貯蔵器を備えてもよい。これらの変形例では、第1の光学的刺激は、第1の目標領域により選択的に吸収される第1の波長領域内の、光の波長による第1の目標領域の照射を含んでもよい。例えば、第1の波長領域に亘って吸収する発色団は、第1の目標領域の一部分において鋭敏にしてもよい。図1A及び図1Bに戻って参照すると、デバイス100は第1の貯蔵器102‘を備え、これは第1の薬剤103を装填するように構成されている。デバイス100も選択的に第1の貯蔵器104’を備えてもよく、これは第1の貯蔵器102‘の壁105’上又はその一部にある。第1の目標領域104‘は第1の光学的刺激に選択的に応答して、貯蔵器102’から第1の薬剤103‘を放出するように構成してもよい。] 図1A 図1B [0081] デバイスの第1の目標領域は、第1の波長範囲に亘る光を選択的に吸収する任意の適宜な方法でも構成してもよい。例えば、第1の目標領域は、施術者又は他のユーザー(例えば、施術者によって使用される眼用レーザー又は網膜の処理を専門とする他のユーザー)により容易に利用できる光源から光を吸収するように構成してもよい。そのような光源は、ダイオード・レーザー(例えば、赤色又か緑色光を出射するダイオード・レーザー)、Nd:YAGレーザー、Nd:YLFレーザー、ヘリウム・ネオンレーザー、アルゴン・イオン・レーザー、クリプトン・イオンレーザー、CuBr蒸気レーザー、励起色素レーザー又はエキシマー・レーザーを含む。例示的なレーザーは、アルゴン・イオン・レーザー及びNd:YAGレーザー、例えば、周波数倍増Nd:YAGレーザーを含んでもよい。他の場合においては、光出射ダイオード又はランプを光源として用いてもよい。光源の出力は、望ましい波長範囲を設定するために、一つ以上の光学フィルタ又は他の波長選択デバイスによりフィルタリングしてもよい。光源は、脈状又は連続波(CW)でもよい。励起色素素レーザーの非限定的な例は、周波数倍増Nd:YAG、周波数倍増Nd:YLF、又はエキシマー・レーザー、並びにアルゴン・レーザーにより励起された持続波色素レーザーを含む。このように、網膜専門家は、約100nmから約10,000nmの不連続波長範囲においてコヒーレント光を発するために、一つ以上のパルス状又はCWレーザーの使用が可能である。例えば、波長は約500nm乃至約1500nm、約500nm乃至700nm、又は約500mm乃至約600nmの範囲としてもよい。或る変形例においては、波長は約1040nm乃至約1064nmとしてもよい。] [0082] 光学的刺激は、任意の適宜なエネルギ又は出力密度を有してもよい、一般に、エネルギ又は出力密度は、周囲組織に損傷若しくは実質的な損傷を与えることなく、薬物送達デバイスの貯蔵器からの薬剤の放出を始動するために選択されるであろう。例えば、約0.01J/m2又は約5J/m2未満のエネルギ密度を用いてもよく、及び/又は約0.01W/m2又は約50W/m2未満の出力密度を用いてもよい。パルス光源が使われるならば、約1.0Hz乃至約1.0MHzの繰り返し率を用いてもよく、これは例えば約1.0Hz乃至約20Hz又は約100Hz乃至約約1.0MHz、或いは約500Hz乃至約1.0MHzである。任意の適宜なパルス遅延を用いてもよい。例えば、約1.0ns乃至約1.0msのパルス幅を用いてもよく、これは例えば、約1.0ns乃至約100ns、又は約100ns乃至約500ns、又は約500ns乃至約1.0msである。或る変形例においては、更に短いパルス幅を用いてもよい。例えば、パルス幅は約200フェムト秒乃至約3000フェムト秒に亘る範囲でもよい。任意の適宜なスポット・サイズ及び/又は形状を用いてもよい。例えば入射光のスポット・サイズは、例えばレンズ、集束ミラー、及び/又は空間フィルタを用いて調節することにより、目標領域とほぼ一致させて、その周辺領域の不必要な照射を避けるようにしてもよい。或る場合には、入射ビームの形状を選択的な始動として用いてもよい。例えば貯蔵器には、特定の形状及び/又は寸法(例えばスリット形状)を伴う目標領域を持たせることにより、入射ビームを焦束させるか、さもなければ目標領域の寸法/及び形状に対して、入射ビームを適合させるか若しく充分に重なるようにしなければ、不充分な出力密度がその目標領域に入射して貯蔵器内の薬剤の放出が起動するおそれがある。従って、貯蔵器を起動させるのに用いられる入射ビームは、様々なスポット・サイズ及び形状を有するであろう。入射ビームは、例えば、少なくとも一次元のスポット・サイズ及び/又は形状を有し、これは例えば約1μm乃至約2000μm(2.0mm)の範囲である。或る例では、入射ビームは少なくとも一次元のスポット・サイズ及び/又は形状を有し、これは約200μm、約100μm、又は約50μm若しくはそれ未満である。] [0083] 本明細書に説明されるデバイスの或る変形例では、第1の目標領域は、第1の感光物質又は第1の発色団を含んでもよく、これらは第1の波長範囲内の光を吸収するように選択されている。或るデバイスの第1の目標領域の第1の波長範囲は所望の光源からの放射と重なるようにしてもよく、これはレーザー、ランプからのフィルタ処理された出力、又は発光ダイオードを含んでもよい。例えば、第1の波長範囲は、アルゴン・イオン・レーザー、Nd:YAGレーザー、(例えば、周波数倍増Nd:YAGレーザー)、ダイオード・レーザー(例えば、赤色又は緑色光出射ダイオード・レーザー)、Nd:YLFレーザー、クリプトン・イオンレーザー、ヘリウム・ネオン・レーザー、CuBr蒸気レーザー、励起色素レーザー又はエキシマー・レーザーと重なるようにしてもよい。これらの波長に亘って吸収する発色団は、任意の適宜な生体適合性の発色団としてもよい。更に、光線力学療法に用いられる発色団を用いてもよい。そのような発色団の非限定的な例は、フタロシアニン、ポルフィリン(例えば、ヘマトポルフィリン、又はヘマトポルフィリン誘導体及びプロトポルフィリン)及び塩素を含む。] [0084] 少なくとも一つの光学的に始動可能な貯蔵器を有する上述した薬物送達デバイスの或る変形例は、更なる薬剤を装填するように構成された付加的な貯蔵器を備えてもよい。例えば、デバイスは二つの貯蔵器を備えてもよく、ここで第1の貯蔵器は第1の光学的刺激に応じて第1の薬剤を送達してもよく、且つ第2の貯蔵器は第2の刺激に応じて第2の薬剤を送達してもよく、その第2の刺激は事実上光学的であるか否かは問わない。例えば、第2の刺激は、熱、高周波、他の放射性(例えば、電離放射線)、電気的、音響的(例えば、超音波)、磁気的、化学的及び/又は機械的刺激を含んでもよい。例えば、第1の光学的に始動可能な貯蔵器を有するこれらのデバイスの第2の貯蔵器からの第2の薬剤の送達は、電気的/熱的刺激によって開始されてもよく、その電気信号は抵抗加熱要素へ加えられて、貯蔵器の一部を加熱して、第2の治療薬剤の放出を引き起こす。更なる刺激の任意の形式又は組合せは、付加的な貯蔵器からの薬物送達を開始するために用いてもよい。一つよりも多くの貯蔵器を有するデバイスでは、貯蔵器は、薬剤の放出を任意の順序で、又は同時に或いは任意の適宜な時間間隔を介してなすように構成してもよい。] [0085] 従って、薬物送達デバイスの或る変形例は、第1の光学的刺激に応じて、内部に装填されている第1の薬剤を放出するように構成された第1の貯蔵器と、第2の光学的刺激に応じて、内部に装填されている第2の治療剤を放出するように構成された第2の貯蔵器とを備えてもよい。これらの変形例においては、第1の光学的刺激は、第2の光学的刺激と同じでも異なっていてもよい。第1の光学的刺激と第2の光学的刺激とが異なるとするならば、それらは任意の観点で異なるようにしてもよい。例えば、或る変形例では、第1の光学的刺激は第1の波長による薬物送達デバイスの照射を含んでもよく、且つ第2の光学的刺激は第2の波長による薬物送達デバイスの照射を含んでもよい。特定の変形例では、第1の光学的刺激は第2の出力密度による照射を含んでもよく、且つ第2の光学的刺激は第2の出力密度によるデバイスの照射を含んでもよい。デバイスは三つ以上の貯蔵器を含んでもよく、三つ以上の異なる光学的刺激を用いて、それらの貯蔵器に包含されている三つ以上の治療剤を放出するようにしてもよい。上述したように、デバイス内の複数の貯蔵器の刺激は、任意の順序で、又は同時に、或いは任意の適宜な時間間隔を介してなしてもよい。] [0086] デバイスが一つ以上の貯蔵器を備えるならば、異なる貯蔵器の目標領域は、異なる発光団を含んでもよく、この発光団は吸収スペクトルに重畳しないか、或いは部分的に重畳する。或る場合には、異なる目標領域に用いられる発色団は、重畳部分が極く僅か若しくは全くない充分に隔てられた吸収スペクトルを持つように選択してもよい。或る場合には、発色団は、天然組織(例えば眼組織)の吸収スペクトルとの重畳部分を低減若しくは最小化するように選択することにより、天然組織への潜在的損傷を低減若しくは最小化できるであろう。このデバイスの或る変形例は、それぞれ第1及び第2の目標領域を含む第1及び第2の貯蔵器を有してもよい。第1の目標領域は、第1の波長を有する光を吸収するように構成された第1の発色団を含み、第2の目標領域は第2の波長を有する光を吸収するように構成された第2の発色団を含むようにしてもよい。第1及び第2の発色団の吸収スペクトルは、充分に隔てるか若しくは部分的に重畳するのみとしてもよく、そのようにすることにより、第1の発色団を含む第1の目標領域が第2の波長の光で照射された際には、吸収は殆ど若しくは全く起こらず、一方、第2の発色団を有する第2の目標領域が第1の波長の光で照射された際には、吸収は殆ど若しくは全く起こらない。このように、第1の貯蔵器と第2の貯蔵器とは、それぞれ第1の波長光と第2の波長光とを用いて、選択的且つ独立に始動させてもよい。或る場合には、第1及び第2の貯蔵器の目標領域で用いられる発色団は、対象の領域において基本的に非重畳吸収スペクトルを有するように選択することにより、二つ以上の貯蔵器の間の選択性を増大させて、即ち、光刺激が、その光刺激により起動させることが意図されてない貯蔵器を起動させてしまうおそれを低減させるようにしてもよい。勿論、この概念は、二つ以上の貯蔵器、例えば、第3の波長の光を吸収するように構成された第3の目標領域を有する第3の貯蔵器を備える薬物送達デバイスまで拡張し得る。この第3の目標領域は、第3の発光団を含んでもよく、その吸収スペクトルは、第1及び第2の発色団の吸収スペクトルに実質的に重畳しない。或る場合には、発色団は例えば、二光子吸収による入射光吸収、例えば比較的に強度が高い光で目標領域を照射治療することにより達成される同じ波長の二つの光子の吸収によるか、或いは、二つの異なる波長で発せられる二つの光源による対象領域の同時照射治療により達成される二つの異なる波長の二つの光子の吸収による入射光吸収をなしてもよい。] [0087] 各々の貯蔵器が特定の波長光、例えば可視光を吸収するように構成された複数の貯蔵器からの薬物の放出を選択的に始動する異なる波長の光の使用は、施術者又は他のユーザーにとって、改善された視覚化も可能にするであろう。例えば、異なる波長を吸収するように構成された目標領域は、異なる色、例えばカラー・コード化することにより、施術者又は他のユーザーは、例えば光ビーム及び/又は他の刺激により、どの貯蔵器を起動させるべきかについての識別が容易になるであろう。例えば、カラー・コード化は、特定の服薬若しくは特定の薬剤を包含する一つ以上の貯蔵器を識別するために用いてもよい。特定の変形例では、カラー・コード化は、特定の薬剤併用療法のためのデバイスにおける一組の貯蔵器の識別、及び/又は連続的薬剤送達療法に使用すべき服薬又は薬物の識別のために用いてもよい。他の視覚化計画は、デバイス及び/又はデバイス内の特定の貯蔵器の可視的識別を容易にするように用いてもよく、これは例えば目標領域の形状コード化又は目標領域のパターン化、例えば特定の数の目標特性、例えば円形領域、スリット等の個別に若しくは分離して識別可能な特徴を持たせるようにするとよい。目標領域のカラー・コード化、形状コード化及び/又はパターン化は、デバイス内の又は複数のデバイス間の貯蔵器の視覚化のために、任意の組合せで用いてもよい。或る変形例では、照射された目標領域からの発光が、視覚化の助けになるであろう。例えば、薬物送達デバイスの第1の貯蔵器の第1の目標領域が緑色光を選択的に吸収するように構成されているならば、施術者又は他のユーザーは、緑色光が第1の目標領域へ入射した際に、その第1の目標領域からの発光(例えば、蛍光)を観察することにより、緑色光源を第1の目標領域に整合させることが可能であろう。目標領域が入射光を吸収するとき、カットオフ・フィルタ等をそのような発光の視覚化を支援するために用いてもよい。更に、同じ薬物送達デバイス内の第2の貯蔵器が赤色光を選択的に吸収するように構成されているならば、施術者又は他のユーザーは、第1の貯蔵器と第2の貯蔵器とを、それらの可視光の選択的吸収によって区別することができるであろう。] [0088] 光学的刺激に反応する一つ以上の目標領域を含む光学的に始動可能な貯蔵器を備えるデバイスのためには、目標領域は、任意の適宜な幾何学形状若しくは形態を有してもよい。上述したように、目標領域は、個別若しくは分散した特徴を有してもよく、或る変形例では、貯蔵器の少なくとも一部分とは異なる材料としてもよい。目標領域は任意の方式で形成又は塗布することができ、その方式は、例えば、貯蔵器又はキャップの上を塗装したり、貯蔵器又はキャップの少なくとも一部を浸し塗りしたり、マスク又は選択的なエッチングを通じてパターン付けしたり、及びその他がある。] [0089] 第1の光学的刺激によって始動される第1の薬剤の放出は、様々な薬物放出計画の何れか一つ、又は薬物薬放出計画の組合せによって達成してもよい。例えば、第1目標領域による光の吸収は、デバイスの或る変形例においては、貯蔵器壁又はキャップにおける第1のオリフィスの形成又は貯蔵器壁又はキャップにおける一つ以上のオリフィスの形成により貯蔵器の第1の薬剤の放出が始動される。このような例の一つを図6A及び6Bに示す。ここでは、デバイス600は貯蔵器601を備えている。貯蔵器601は、その中に薬剤604を包含するように構成されている。貯蔵器601は、壁602と、キャップとして機能し得る非浸透性層603とを備えてもよい。層603は、入射光線606を選択的に吸収する第1の目標領域605を含んでもよい。目標領域605は、層603内の何処に配置してもよく、例えば壁602近傍、又は、層603の横方向中心領域へ向けてもよい。図6Bに図示されるように、目標領域605による入射光606の選択的吸収は、オリフィス609の形成を引き起こし、このオリフィスを通じて薬剤が送達されるようにしてもよい。従って、選択的且つ制御可能な薬剤604の放出を達成し得る。] 図6A 図6B [0090] 他の変形例では、光学的刺激によって形成される一つ以上のオリフィスは、第2の浸透性又は半透性層に露出させてもよい。これらの変形例では、第1の光学的刺激が露呈された浸透性又は半身統制層を通じて、第1の薬剤の拡散制御された送達が開始される。そのようなデバイスの変形例を図7A及び7Bに示す。ここでは、デバイス700は貯蔵器701を備える。次いで、貯蔵器701は薬剤を保存する。貯蔵器701は、壁702と、浸透性又は半浸透性層710と、この層710の上に被せられた非浸透性層703とを含む。非浸透性層703は、入射光706を選択的に吸収する目標領域705を有してもよい。図7Bに図示されるように、目標領域705による入射光706の選択吸収は、少なくとも部分的に露呈した層710によっており、このため薬剤704は層710を通じて拡散する。他の形態においては、光学的刺激により形成された一つ以上のオリフィスは、第2の薬物放出制御機構又はデバイス、例えば生物分解するカプセル又はマトリックスを露呈し得る。] 図7A 図7B [0091] 更に他の変形例では、光学的刺激によって形成される一つ以上のオリフィスは、付加的なハウジング又は他の特徴を露呈させてもよく、これは更に他の刺激、例えば、熱の刺激(例えば体熱)、化学的刺激(例えば、特定の化学種に敏感なpH又はレセプター)、又はその類のものに反応性がある。例えば、光学的刺激は、ポリマー・ゲル又はネットワークを露呈させてもよく、これは環境刺激に応じて容量変化を生じて、そのゲル内に包含されている薬物を放出する。このようなポリマー・ゲル類の変形例は、天然及び/又は合成ヒドロゲルの架橋されたネットワーク含む浸透性ポリマー・ネットワーク(IPNs)又は半浸透性ポリマー・ネットワーク(SPNs)を含む。薬物送達ハウジング又は或る容器を形成するために使用し得るIPNS及びSPNsの変形例は、或る変形例においては、ポリ(ビニル)アルコール、ゼラチン、セルロース、及びポリ(N−イソプロピルアミンを含む。非限定的である特定の例は、ゼラチン/セルロース・ネットワーク、ポリ(ビニル・アルコール)/ポリ(N−イソプロピルアミン・ネットワーク及びヒアルロン酸/ポリ(ビニル・アルコール)ネットワークを含む。] [0092] ここで説明されるデバイスの或る変形例においては、光学的刺激は、薬物送達を開始するために、貯蔵器の少なくとも一部分の変化を起こすようにしてもよい。例えば、光学的刺激を原因として貯蔵器壁又はキャップの少なくとも一部分が薄くなるようにすることにより、その透過性を増大させるようにしてもよい。他の変形例では、貯蔵器壁又はキャップの少なくとも一部分を形状記憶材料、例えば形状記憶ポリマーとしもてよく、この場合、光学的刺激からの光の吸収が局所的に加熱を引き起こし、次いで貯蔵器の形状記憶部分の変化を誘発して、貯蔵器の一部の破断をもたらし、第1の薬剤を送達する。デバイスのそれらの変形例に使用し得る形状記憶ポリマーの非限定的な例は、オリゴ(ε−カプロラクトン)ジメタクリエイトス及びn−ブチル−アクリレイトを含む。キャップを含むデバイスにおいて、光学的刺激のデバイスの第1目標領域への搬送は、貯蔵器の一つ以上の寸法が変化する原因となるようにしてもよく、これによりキャップの破断若しくは漏洩がもたらされる。] [0093] ここで説明される薬物送達デバイスは、様々な用途を有していてもよい。例えば、それらは様々な症状を治療するように構成してもよい。或るデバイスは加齢黄斑変性症を治療するように構成してもよく、他のデバイスは糖尿病、ガン、緑内障、白内障、網膜脈絡膜症、ドライ・アイ症候群、視覚神経障害、眼窩疾病、角膜症状、ブドウ膜炎及び他の症状を治療するように構成してもよい。このデバイスは、長期間に亘って複数の薬剤の投与が要求される慢性症状及びその他の症状を治療することに特に適するであろう。それらは貯蔵器内で薬剤の保管を可能として、「要求に応じた」送達計画を提供するので、デバイスは時間的に延長した処置を可能とし、繰り返される侵襲性処置の必要性を減少若しくは排除するであろう。更に、薬物送達デバイスの「要求に応じた」送達計画は、例えば、貯蔵器の装填量を調節することにより、デバイスの単独の構成を複数の類型の被検者のために使用可能になるであろう。更に、デバイスが外科侵襲を必要とすることなく移植された後でさせも、デバイスは治療計画の調整を可能とするであろう。デバイスの或る変形例又は組合せは、複数の異なる適応症にも有益であろう。例えば、単独のデバイスには複数の適応症のために異なる薬物を装填して、及び/又は、複数のデバイスを複数の適応症のために移植してもよい。] [0094] 上述したように本薬物送達デバイスは、被検者の眼の領域を含めて、様々な身体部位に移植するように構成してもよい。これらの変形例では、デバイスは被検者の硝子体空洞、網膜、強膜、角膜及び/又は結膜へ移植するように構成してもよい。ここで図8A乃至図8Bを参照すると、デバイス800は眼805の背後における硝子体空洞802内に嵌まるように構成されている。外部の第1の光源810(例えば、網膜専門家に利用可能なレーザー)に、デバイス800における第1の貯蔵器830を照射させて、第1の薬剤804を直接に眼へ放出させ、これが網膜領域803における所望の目標へ到達できるようにしてもよい。第1の光源810の発光812は、第1の貯蔵器830(例えば第1の貯蔵器803の第1の領域)を除いては、デバイス800の任意の部分より相当に吸収されることはないので、第1の薬剤のみの選択的放出が可能となる。或る場合では、発光812は、デバイス800に隣接する天然組織に相当に吸収されることはないので、を天然組織に対する損傷のおそれが低減される。図8Bに示すように、第2貯蔵器832は第2の光源815により照射されて、第2の薬剤816を直接に眼に放出する。第1の光源810と同様に、第2光源815は発光814を有してもよく、これは第2の貯蔵器832(例えば第2の貯蔵器832の第2の目標領域)を除くデバイスの任意の部分により、或いはデバイス800を囲む天然組織により相当に吸収されることはない。或る変形例においては、第1の光源と第2の光源とは同一でもよい。そのような場合は、貯蔵器の間の差異は、異なる貯蔵器における入射ビームのサイズ及び/又は形状を異ならせることにより達成でき、及び/又は、他の貯蔵器を始動することなく、一つの貯蔵器へ特定的に指向させることができる光源の使用により達成できる。或る変形例では、レンズ801を光源810,815と眼との間に用いて光にフィルタをかけるか、及び/又は光を第1又は第2の領域へ指向させる。他の変形例においては、フィルタリング/集束レンズ801は、眼に直接に配置してもよい。第1及び第2薬剤は連続投与を含んでもよく、これは同一若しくは類似する薬剤の単位投与量であり、その薬剤は例えば慢性症状(例えば加齢黄斑変性症)を治療するものである。このような状況では、インプラントは、概ね数日、数週間、数ヶ月或いは長期間の服用の間隔を持って、何年にも亘って眼に残しておいてもよい。] 図8A 図8B [0095] 或る薬物送達デバイスは、デバイスが被検者に移植されている間に、薬剤を装填されるように構成された少なくとも一つの貯蔵器を備えてもよい。例えば、第1及び第2の貯蔵器を備えるデバイスについては、デバイスが被検者に移植されている間に、第1及び第2の貯蔵器のうちの少なくとも一つはそのそれぞれの薬剤を装填されるように構成してもよい。これらのデバイスの他の変形例では、第1及び第2の貯蔵器のうちの少なくとも一つは再装填薬剤で再装填されるように構成してもよく、それは第1又は第2の薬剤の何れかと同じでもよく、異なっていてもよい。或るデバイスは、移植の後に、薬剤が予め装填されている貯蔵器(例えば、独立型貯蔵器)を交換できるように構成してもよい。これらの変形例では、交換用貯蔵器は、デバイス内の自己密封式の部材を介して再装填してもよい。一つ以上の再充填可能交換用貯蔵器は、刺激によって薬剤放出を選択的に始動するように構成された目標領域(例えば、この貯蔵器内に包含される薬剤の放出を誘発するために、光の特定の波長及び/又はエネルギ、或いは出力密度を選択的に吸収できる目標領域)を備えてもよい。 他の変形例では、被検体に既に移植されたデバイスへの薬剤の装填及び/又は再装填は、例えば、注射器を用いれば達成できるであろう。これらのデバイスは、射出領域(例えば、注射器針が取り外された後に、自己封止し得る中隔)を備えてもよい。他の変形例では、密封材料(例えば、注射器による)は、薬剤の注射の後に施してもよい。] [0096] ここで説明されるデバイスの他の変形例には、一つ以上の貯蔵器は、予め装填された交換用貯蔵器を用いることなく、移植されたデバイスへ直接に充填してもよい。ここで図9A乃至9Dを参照すると、デバイス900は眼905の硝子体空洞902へ既に移植されている。図9Bに詳細に示されるように、デバイス900は、充填ポート901を備え、これは眼905の外側へ延出している。薬剤貯蔵器901は、一連の分離部材913により互いに隔てられており、その分離部材は、例えば一方向弁又は自己封止膜としてもよい。充填ポート910は、強膜へ延出しているが、結膜又はTenonカプセル(模式的に層915で示される)内に残されており、入口ポート911を介する感染のおそれを低減している。図9Aで示すように、充填ポート910は、注射器916によって注射液を受けるように構成し得る。充填ポート910は、例えば、自己密封式の注入領域917を含んでもよい。方法の或る変形例では、例えば複数の貯蔵器が自己密封式の膜によって隔てられているならば、注射器916は貯蔵器901の各々に順番に薬物を注射してもよい。方法の他の変形例においては、注射器916は充填ポート910のみを充填して、薬物は、例えば充填ポート910を絞ることにより、貯蔵器を隔てる一方向弁を用いて一連の貯蔵器へ押し出すことができる。] 図9A 図9B [0097] ここで図9Cを参照すると、第1の貯蔵器901’は第1の目標領域918’を含み、これは第1の刺激(例えば、第1の周波数範囲内の波長を有する光を含む第1の光学的刺激から光を吸収する)に選択的に反応するように構成してもよい。従って第1の貯蔵器が第1の刺激(例えば、第1の光学的刺激)を受けるとき、第1の貯蔵器はその中に包含される第1の薬剤を放出し得る。第2の貯蔵器901’’は、第1の刺激に応じてその中に包含される第2の薬剤を放出することはない。その代わりに、第2の貯蔵器901’’は、第2の目標領域918’’を備えてもよく、これは選択的に、第2の刺激(例えば、第2の波長範囲内の波長を有する光を含む第2の光学的刺激から光を吸収する)に反応するように構成される。このように、或る変形例では、第2の波長範囲内の波長を有する適宜なエネルギ及び/又は出力密度の光が第2の目標領域へ入射すると、第2の貯蔵器が第2の薬剤を放出し得る。他の変形例では、第2の貯蔵器が第2の薬剤を放出するように反応する第2の刺激は、必ずしも光学的刺激というわけではなく、例えば、熱的、電気的で、機械的、高周波、高周波、化学的、超音波及び/又は磁気的刺激でもよい。] 図9C [0098] 薬物送達デバイスが既に移植された後、一つ以上の貯蔵器の装填を可能にするように構成されたデバイスの或る変形例は、一つより多くの外部アクセス可能薬物ポートを含んでもよい、ここで図9Dを参照すると、デバイス950は眼955の硝子体空洞952へ既に移植されている。デバイス950は、複数の貯蔵器961の第1のセットと、複数の貯蔵器971の第2のセットとを備える。貯蔵器961の第1のセットは、チャンネル966を介して第1の外部アクセス可能薬物ポート965に接続している。貯蔵器の第1セットは第1の分離部材967により互いに隔てられていてもよく、その分離部材は、例えば、自己密封式の膜又は一方向の弁を含んでもよい。貯蔵器971の第2のセットはチャンネル976を介して第2の外部アクセス可能薬物ポート975へ接続されている。この第2の薬物ポート975が包含する薬剤は、第1の薬物ポート965の薬剤とは異なっていてもよい。貯蔵器971の第2のセットは第2の分離部材977により互いに隔てられていてもよく、また、この分離部材は自己密封膜又は一方向弁からなるものでもよい。薬剤975及び965は、例えば、その各々が注射器(図示せず)により充填される。他の変形例では、第1の注射器(図示せず)を、自己密封式の膜によって隔てられた貯蔵器961を充填するために、チャンネル966の長さ方向下方へ延伸させてもよい。これに代えて、或いはこれに加えて、第2の注射器(図示せず)を、自己密封式の膜によって隔てられた貯蔵器971を充填するために、チャンネル976の長さ方向下方へ延伸させてもよい。更に他の変形例では、貯蔵器961を充填するには、充填ポート965を絞ることにより、その中に包含されている薬物を押し進めて、複数の貯蔵器を隔てる一方向弁を通じて、貯蔵器961のセットへ到達させるようにしてもよい。これに代えて、或いはこれに加えて、貯蔵器971を充填するには、充填ポート965を絞ることにより、その中に包含されている薬物を押し進めて、複数の貯蔵器を隔てる一方向弁を通じて、貯蔵器971のセットへ到達させるようにしてもよい。] 図9D [0099] ここで説明される薬物送達デバイスは、繰り返して出し入れするのに役立つインプラントに包含されるように構成してもよい。このような場合には、インプラントは、一つ以上の薬物送達デバイスを収容するために一つ以上のハウジングを含むように構成される。インプラントは任意の適宜な形状、寸法、幾何形状その他、以下に更に詳述するものを有してもよい。インプラントは、一つ以上の開口を設けて、この開口を通じて薬物送達デバイスの取り外し又は交換ができるように構成してもよく、或いは、以下に更に詳述するように薬物送達デバイスの貯蔵器は、その中に包含される薬物の放出を始動するように構成してもよい。インプラントへのアクセスの繰り返しは、貯蔵器への複数の薬物の装填又は再装填するときに有益であろう。アクセスの繰り返しは、薬物治療が長期間に亘るときも有益であろう。この例では、貯蔵器が薬物で再装填されるのみならず、薬物送達デバイス自体が必要に応じて交換又は切り換え可能であろう。] [0100] インプラントは身体内に20ゲージ又はより小さなカニューレを使用して配置してもよい。例えば、21ゲージ、22ゲージ、23ゲージ、25ゲージ又は30ゲージ又は更により小さなカニューレを使用してもよい。カニューレは、アセンブリ(例えば、流体又は粘弾性物質を用いてインプラント内に展開させる注射器)も一部としてもよい。或る例では、注射器はプッシャー、例えば注射器内を摺動するワイヤー又はロッドを用いてインプラントへ配備してもよい。カニューレは身体の目標領域、組織、空間又は潜在的空間へアクセスするための導入器として用いてもよい。ここでインプラントは、カニューレからプッシャー、例えばカニューレ内を摺動するワイヤー又はロッドを用いて配備してもよい。或る変形例では、カニューレ、射出器、及び/又はプッシャーには、これらがどの位前進したかを示すマーキングを設けてもよい。薬物送達デバイスはインプラントへ予め装填していてもよく、或いは目標領域における配置の後にインプラントへ装填してもよい。] [0101] インプラントが眼内に位置するようにされているとき、25ゲージ・カニューレ(針)は有益である。このインプラントは、眼の領域(例えば、眼窩の中の硝子体空洞、網膜、強膜、角膜、結膜又は潜在的空間)に移植されるようにしてもよく、カニューレが使用されるとき、生物学的適合性のシーラント(例えば、フィブリン、コラーゲン,及びトロンビン基シーラントと及びシアノアクリレート接着剤)は眼の組織の開口の封止を促進するために用いてもよい。そのような開口の縫合封止も必要とあれば実行してもよい。或る変形例では、インプラントが展開してインプラントのハウジングが眼の外面と面一若しくは実質的に面一になるようにしてもよい。薬物送達デバイスがインプラントに予め装填されないならば、薬物送達デバイスを内部に包含しているカニューレでハウジングに最初にアクセスすることでインプラントへ位置させるようにしてもよい。そして薬物送達デバイスは、カニューレ、注射器又は他のカニューレ・アセンブリによりハウジングへ位置さえるようにしてもよい。或る方法では、目標位置へインプラントを位置させるために結膜又は他の眼の組織を切開することを要してもよい。このような場合には、切開又はその近傍における結膜又は他の眼の組織は、ハウジングのアクセス領域を覆うように用いてよく、これは例えばそれらの組織をアクセス領域上で引っ張り、及び/又はアクセス領域に組織のフラップを縫合することによる。インプラントの繰り返しアクセスは切開部位に形成された任意の瘢痕組織を通じて達成するようにしてもよい。] [0102] インプラントは、近端部、末端部、その間に延伸したハウジングと、基端におけるアクセス領域を有するように構成してもよく、このアクセス領域を通じて薬物送達デバイスをハウジングへ設置する。アクセス領域は、任意の断面幾何形状の開口としてもよい。例えば、開口は横断面が円筒形、楕円形、三角形、四角形、又は、不規則形状でもよい。アクセス域の断面幾何学形状は、薬物送達デバイスの断面期か形状に整合又は対応するのに適していてもいなくてもよい。インプラントの基端部は弁(例えば、密封弁)も含んでもよく、それは空気が内部キャビティヘ導入されることを防止する。末端部は閉止されていてもいなくてもよい。] [0103] 一つ以上の薬物送達デバイスがインプラントに含まれるようにしてもよい。薬物送達デバイスは、一つ又は複数の薬物を送達する一つ又は複数の薬剤貯蔵器を有するようにしてもよい。複数の薬物送達デバイスがインプラントに使用されるとき、各々のデバイスの貯蔵器は同一又は異なる薬物を送達してもよい。上述と同様の例示的薬物及び薬物の組合せをインプラントによって送達してもよい。] [0104] インプラントは、それを身体組織に取り付けるのを支援するために、固定要素を更に含んでもよい。固定要素はインプラントの任意の部分に配置してもよくて、様々な形態を有してもよい。例えば、固定部材は、鉤、フック、スパイク、タブ、その他として形成してもよく、また組織へのインプラントの取り付けを扶助するために粗く又は織地化してもよい。或る場合には、縫合を単独で又は固定要素と共に用いて、インプラントを組織(例えば、強膜)に取り付ける。] [0105] ここで図11Aを参照すると、インプラント1100は1100は近端部1102と、末端部1104と、近端部1102における開口1106を備える。タブ1108は、インプラント1100を身体組織に取り付けることを促進する近端部1102の近くの固定要素として与えられる。図11Bで示すように、インプラント1100は、薬物デバイス1112が薬物を放出させながら、この薬物デバイスを保持するハウジング1110を含む。インプラント1100は、様々な寸法及び形状としてもよい。或る変形例では、インプラント1100は、約1.0mm乃至約1.0cmの長さとしてもよい。例えば、インプラントは長さ約3.5mm乃至約1.0cm、約0.5cm乃至約1.0cm、約0.5cm乃至約1.0cm、又は約0.8cm乃至約10cmとしてもよい。特定の変形例では、インプラントは長さ1.0mm未満である。開口1106の寸法は薬物送達デバイスの寸法インプラントに包含される薬物送達デバイスの数、移植の組織などの因子に依存して可変にしてもよいが、一般には薬物送達デバイスをインプラントのハウジング内にしっかりと保持するように構成される。] 図11A 図11B [0106] インプラント・ハウジングは、薬物送達デバイスを形成するのに用いられたものと同一又は異なる材料から製作してもよい。一例として、インプラント・ハウジングは生体適合材料、例えばシリコンラバー、シリコンエラストマー、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン及びポリエチレン、酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエチルメタクリレイテス、ポリウレタン、ポリビニルフイロリリドネス、2−ピロリドン、ポリアクリロニトリル・ブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド類、フッ素重合体(例えばポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン(商標)ポリマー))、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル、酢酸セルロース、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエステル類、ポリイミド、天然ラバー、ポリイソブチレン・ラバー、ポリメチルスチレンチレン、それらの共重合体及びそれらの混合体である。] [0107] 生体適合材料がハウジングのために用いられるならば、適宜な生体適合ポリマーは、非限定的な例として、以下を含む。即ち、アルギン酸塩、セルローズ及びエステル、コラーゲン、デクストラン、エラスチン、フィブリン、ポリサッカリド、ヒアルロン酸、ポリアセタール、ポリアクリル酸(L−チロジン−派生又は遊離酸)、ポリ(β−ヒドロキシエステル)ポリアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリアルキレン・アルキレイテス、ポリアルキレン・オキシレイテス、ポリアルキレン・コハク酸エステル、ポリアンヒドライデス・エステル、ポリアンヒドライデ、ポリアスパーテミック酸、ポリラクティック酸、ポリブチレン・ジグロクレイト、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(カプロラクトン)/ポリ(エチレン・グリコール)コポリマー、ポリカーボン、L−チロシン派生ポリカーボネイテス、ポリシアノアクリレート、ポリジヒドロピランズ、ポリ(ダイオキシアノネ)、ポリ−P—ダイオキシアノネ、ポリ(ε−カプロラクトン−ジメチルトリメチレン・カーボネイト)、ポリ(エステルアミド)、ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリ(エーテルスター)、ポリエチレン、グリコール/ポリ(オルトエステル)コポリマー、ポリ(グルタルニック酸)、ポリ(グリコリック酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(グリコリド)/ポリ(エチレン・グリコール)コポリマー、ポリ(ラクチド)、ポリ(ラクチド共カプロラクトン)、ポリ(DL共グリコリド)、ポリ(ラクチド共グリコリド)/ポリ(エチレン・グリコール)コポリマー、ポリ(ラクチド)ポリ(エチレン・グリコール)コポリマー、ポリペプチド、ポリポスファゼン、ポリポスエステル、ポリポスエステル・ウレタン、ポリ(プロピレン・フマル酸エステル共エチレン・グリコール)、ポリ(トリメチレン・カーボネイト)、ピリチロシン・カーボネイト、ポリウレタン、ポルラスチン(PoLastin)又は絹エラスチン・ポリマー、クモ糸、テファフレックス、ターポリマー(グリコリドのコポリマー又はジメチルトリメチレン・カーボネイト)、及び組み合わせ、混合体、或いは、それらのコポリマーである。] [0108] 透明性が望まれるのであれば、以下に更に説明するように適宜な透明な材料を用いてもよい。適宜な透明性を有す材料は、一般的にポリマー(例えばアクリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)ポリエチレン・テレフタル酸塩グリコール(PETG))とスチレンアクリロニトリル(SAN)である。有益であろうアクリル共重合体は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)共重合体及びスチレン・メタクリル酸メチ(SMMA)共重合体(例えば、Zylar631(商標名)アクリル共重合体)を含むが、これに限定されるものではではない。] [0109] インプラントがインプラント壁に一つ以上の開口(窓)を有するように構成して、インプラント内の貯蔵器を視覚化可能にしてもよい。これは、例えば、検眼鏡、スリットランプ、超音波調査、光学的コヒーレンス断層撮影法(OCT)又は他の眼の画像形成デバイス(直接的又は間接的な視覚化用)を用いることによるものであり、及び/又は開口を通じて貯蔵器の刺激を起こし得るようにしてもよい。開口は、インプラント壁の切り欠き、或いは透明なインプラント壁の領域とすることができる。或る変形例では、インプラント全体を透明材料から形成してもよい。例えば、図11Bに示すように、薬物送達デバイス1112は、注射器1114により開口1106を通じて眼124内のインプラント1100へ導入された薬物送達デバイス1112は、窓1116介して(検眼鏡を用いて)視覚化することができる。光源1120からの発光1118も窓1116を通じて与えて、薬物送達デバイス1112の貯蔵器を始動させて、薬物1122を放出させるようにしてもよい。ここでは光学的刺激について説明したが、任意の適宜な形式の刺激を用いてもよく、これは機械的、化学的、電気的、磁気的、超音波、高周波、熱及びそれらの組合せを含む。レンズ、例えば図8A及び図8Bに示されるレンズ801は、ここでは光を薬物送達デバイス上へ合焦及び/又はフィルタリングして、薬物の放出を始動するように用いられている。更に、単独のハウジングを有する実質的に真っ直ぐなインプラントを図11A及び図11Bに示したが、他の構成も考えられる。例えば、ハウジングは、湾曲(図12A)、矩形(図12B)、円筒形(図12C)、四角形(図12D)等にしてもよい。] 図11A 図11B 図12A 図12B 図12C 図12D 図8A 図8B [0110] インプラントは、薬物送達デバイスを保持する単独のハウジングを含んでもよく、或いは複数のハウジング、例えば、二つ(図13A)、三つ(図13B)又は四つ(図13C)又はそれ以上のハウジングを備えてもよい。勿論、インプラントには任意の数のハウジングを設けてもよい。窓の個数は、インプラント内に存在するハウジングの個数に対応させてもよい。 II.キット] 図13A 図13B 図13C [0111] キットもここで説明される。キットの或る変形例は移植のために構成された薬物送達デバイスを備え、ここで、薬物送達デバイスは、薬物を装填されるように構成された少なくとも一つの貯蔵器を備え、少なくとも一つの薬剤薬が薬物送達デバイスで使用されるように構成されている。例えば、或るキットは、薬物送達デバイスの貯蔵器へ直接に装填される一つの薬物又は一組の薬物を備えてもよい。他のキットは、一つ以上の薬物を装填するように構成された一つ以上の貯蔵器(例えば、独立型貯蔵器)又は交換型貯蔵器を含んでもよい。そのような貯蔵器又は交換型貯蔵器は、予め装填されていてもよく、施術者又は他のユーザーによって装填されるようにしてもよい。このように、或るキットでは、薬物送達デバイスは、移植前又は移植後の何れでも交換型貯蔵器を収容するように構成されている。キットの或る変形例は、一つよりも多くの薬物送達デバイス、例えば一組の薬物送達デバイスを備えてもよい。これらのキットは、一つ以上の薬物、例えば、貯蔵器及び/又は交換用貯蔵器好へ直接に装填するための薬物を含んでもよい、キットは、更に一つ以上の移植デバイス、例えば、様々な寸法を有する複数のカニューレ)を含んでもよい、キットは、薬物送達デバイスから薬剤の放出を始動するために用いられる一つ以上の刺激源を選択的に含んでもよい、キットは、或る変形例では、デバイスを操作及び/又は固定するための一つ以上のツール、例えば、鉗子、クランプ、カッター、縫合ツールその他を含んでもよい、キットはユーザーのための取り扱い説明書を選択的に含んでもよい。] [0112] キットの或る変形例は、移植のために構成された薬物送達デバイスと、この薬物送達デバイスを被検者へ移植するように構成された一つ以上の移植デバイスを備える。これらのキットでは、薬物送達デバイスは、各々が薬剤を装填されるように構成された少なくとも一つの貯蔵器を備えている。移植デバイスは、或る変形例では、20ゲージ、21ゲージ、22ゲージ、23ゲージ、25ゲージ又はより小さなカニューレ、例えば、30ゲージ・カニューレを備えてもよく、また、或る変形例では、一つより多くの移植デバイスをキット内に提供してもよく、これは例えば、異なる寸法を有する一組のカニューレである。これらのキットには、薬剤の放出を始動するために用いる一つ以上の刺激源及び/又はデバイスを操作及び/又は固定するための一つ以上のツール、例えば、鉗子、クランプ、カッター、縫合ツール又はその種のもの及び/又はユーザーのための取り扱い説明書も含めてもよい、] [0113] ここで説明される任意のキットに使用される薬物送達デバイスは、上述の任意の薬物送達デバイスとしてもよい。異なる刺激に反応する複数の貯蔵器を有する一つ以上の薬物送達デバイスを備えるキットにおいては、一つよりも多くの刺激源をキットの一部として提供してもよい。キットに任意の組合せ含まれるであろう刺激源の形式は、光源に加えて、加熱又は冷却デバイス、電源、化学物質(例えば、特定のpH又は特定のイオンを有する溶液)、高周波源、他の放射性源(例えば、電離放射線源)、機械源(例えば、圧電デバイス)、超音波源、磁石、又はそれらの任意の組合せを含む。勿論、一つよりも多くの任意の形式の刺激源を設けてもよく、例えば、複数の光源、これは複数のレーザー、例えば、二つのレーザーをキットの一部として含めてもよく、ここで、各々のレーザーは薬物送達デバイスからの薬物の放出を始動するように構成されており、非重畳波長領域を有する光を選択的に吸収する。薬物送達デバイスから薬物の発散を誘発するように構成される。] [0114] キットは、一つ以上の刺激の送達するために、自動機器を備えてもよい。例えば、刺激は他の事象、例えばレーザー外科的処置と整合させてもよく、或いは一つよりも多くの刺激を始動デバイスを用いて他の刺激と整合若しくは同期させてもよい。このような自動起動機器は予め設定してもよく、例えば、施術者又は他のユーザーは、複数の薬物又は薬物の投与量の調整された送達の開始のための様々な予め設定された始動シーケンスから選択できるようにしてもよい。或る場合には、施術者又は他のユーザーは、特定の被検者又は薬剤併用療法について、調節された自動化始動シーケンスを変更するために、入力を与えることができるようにしてもよい。] [0115] 上述したように、或るキットは、一つ以上の移植されたデバイスから薬剤の放出を始動するために一つ以上の刺激源を備えてもよい。キットのこれらの変形例において、刺激源は予め設定されていてもよく、或いはユーザー調節可能に、適宜な刺激をデバイスの特定の領域、例えば、特定のデバイス貯蔵器についての目標領域へ送達してもよい。一般に、刺激源は予め設定されていてもよく、或いはユーザー調節可能に薬物の放出を始動し、その一方で、周辺組織に殆ど又は全く損傷を及ぼさない。例えば、キットにおける薬物送達デバイスは、第1の薬物を収容している第1の貯蔵器と、第1の波長範囲に亘る光を選択的に吸収するように構成された第1の目標領域を含んでもよい。これらのキットは、第1の目標領域へ第1の波長範囲内の光を発することができる第1の光源を含んでもよい。第1の光源は予め設定されていてもよく、或いはユーザー調節可能でもよく、波長光を適宜なスポット・サイズ、スポット形状、パルス幅、繰り返し率、エネルギ密度及び/又は出力密度で伝搬し、周囲組織への実質的な損傷を伴うことなく、移植されたデバイスから第1の薬物の放出を始動する。] [0116] 一つ以上の光源を備えるキットでは、光源は任意の適宜な光源としてもよい。光源は、発光ダイオード、ランプ又はレーザーとしてもよい。任意の光源(例えば、ランプ)は、それらの発光を一つ以上の光学フィルタ又は他の波長選択デバイスでフィルタリングして、所望の波長範囲を与えるようにしてもよい。光源は、網膜専門家又は他の眼科医が一般に利用できるレーザーから選択してもよい。光源は、例えばアルゴン・イオン・レーザー(Nd:YAGレーザー)、例えば周波数倍増Nd:YAGレーザー、ダイオード・レーザー(例えば、赤色又は緑色発光ダイオード・レーザー)、Nd:YLFレーザー、クリプトン・イオンレーザー、励起色素レーザー、ヘリウム・ネオン・レーザー、エキシマー・レーザー、及びCuBr蒸気レーザーからなるグループから選択してもよい。光源は、持続波光又はパルス光を発してもよく、パルス励起色素レーザーは、周波数倍増Nd:YAG又はNd:YLFレーザー、或いはエキシマ・レーザポンプとしてもよい。CW色素レーザーは、アルゴン・イオン・レーザーによって励起されてもよい。或るキットは、光源から発される光のエネルギ密度又は出力密度を調節するために、少なくとも一つの合焦装置及び/又は空間フィルタを含んでもよい。或る場合には、一つ以上の光学フィルタは、光源からの波長範囲光を狭くするようにキットの一部としてもよい。従って、光源は、約100nmから約10,000nmの離散波長範囲における波長でコヒーレント光を発するパルス又はCWレーザーを備えてもよい。例えば、波長は、約500nm乃至約1500nm、約500nm乃至約700nm、又は約500nm乃至約600mmの範囲である。或る変形例では、波長は約1040nm乃至約1064nmの範囲である。] [0117] 光源は、任意の適宜なエネルギ又は出力密度で与えるようにしてもよい。前述の通り、一般に、光源の波長及び/又はエネルギ又は出力密度は、周辺組織に損傷若しくは実質的な損傷を与えることなく、薬物送達デバイス内の貯蔵器から薬剤の放出を始動するように選択し得る。例えば、約0.01J/m2又は約5J/m2未満のエネルギ密度、及び/又は約0.01W/m2又は約50W/W/m2未満の出力密度を与える光源を使用し得る。パルス光源が望まれるならば、約1.0Hz乃至約2000kHzのパルス繰り返し数の能力がある第1の光源を用いてもよい。或る変形例では、第1の光源は、パルス繰り返し数が約1.0Hz乃至1.0MHz、例えば、約1.0Hz乃至約20Hz、又は約100Hz乃至約1.0MHz、又は、約500Hz乃至約1.0MHzの能力がある第1の光源を用いてもよい。パルス状光源のパルス継続時間は、所望の出力密度に基づいて選択してもよい。例えば、パルス幅が、約1.0ns乃至約1.0msのものを使用してもよく、これは例えば、約1.0ns乃至約100ns、又は約100ns乃至約500ns、又は約500ns乃至約1.0μs、又は約1.0μs乃至約50μs、又は約50μs乃至約500μs、或いは約500μs乃至1.0msである。或る変形例では、より短いパルス幅を用いてもよい。例えば、パルス幅は約200フェムト秒乃至約3000フェムト秒の範囲としてもよい。光源は任意の適宜なスポット・サイズ及び形状を有してもよく、これは一つ以上の合焦レンズ、ミラー、及び/又は空間フィルタによって更に調節してもよい。例えば、光源のスポット形状及び/又は寸法を調整することが好ましく、これは例えば、一つ以上のレンズ、合焦ミラー、及び/又は空間フィルタを用いて目標領域とほぼ一致させ、周辺領域への不必要な照射を避けて、及び/又はスポット・サイズ及び/又は形状を選択的な始動として利用することが望ましい。入射ビームは任意の適宜なスポット・サイズ及び形状を有してもよく、少なくとも一次元で、例えば約1μm乃至約200μmの範囲、例えば、約50μmを有してもよい。 III.方法] [0118] 上述の薬物送達デバイスの使用を採用する方法が与えられる。この方法は、例えば、様々な症状又は兆候を治療するのに有益であり、これは非限定的な例として、加齢関連黄斑変性、糖尿病関連症状(例えば、糖尿病性網膜症)、ガン、緑内障、網膜及び脈絡膜疾病、白内障、ドライ・アイ症候群、視覚神経障害、眼窩疾病、角膜症状、及びブドウ膜炎を含む。この方法は、一般に薬物送達デバイスを被検者へ移植することを含む。上述の任意の薬物送達デバイス、薬物送達デバイスの組合せや、及び/又はキットを、この方法に用いてもよい。これらの方法は、薬物送達デバイスに様々な刺激を加えて、貯蔵器を始動させ、一つ以上の薬剤を貯蔵器から被検者の解剖学的領域へ放出にすることに関係してもよい。或る方法は、眼の症状(例えば、加齢関連黄斑変性の治療を指向してもよい。他の方法は、被検者の眼の領域に必ずしも限られない症状に向けてもよく、例えば眼を通じて抗腫瘍剤を投与することによって、被検者の身体内の何処かの腫瘍へ達するようにしてもよい。] [0119] 或る方法は、被検者への薬物の放出を始動する刺激の使用を含んでもよい、これらの方法では、薬物送達デバイスは、第1の薬剤を装填された第1の貯蔵器を備えて移植してもよく、第1の目標領域は、第1の薬剤を放出するように貯蔵器を始動させるために、第1の刺激、例えば、第1の光学的刺激に応答する。この方法は、第1の目標領域を第1の刺激により刺激して、貯蔵器を始動して第1の薬剤の放出を始動することを含んでもよい。例えば、或る変形例では、第1の目標領域は、第1の波長範囲に亘る光を選択的に吸収するように構成してもよく、この方法は第1の目標領域を第1の波長範囲内の波長を有する光で照射治療することを含んでもよい、第1の波長範囲に亘る光の選択的吸収をなすには、例えば、貯蔵器のキャップ、壁、その他に孔を形成して、半浸透性又は他のレート制御膜を露呈させるか、前述したように、貯蔵器又はデバイス材料の他の透過性特性を変化させる。このように第1の薬剤は、貯蔵器から任意の方式で放出させてもよい。例えば、第1の薬剤の放出は、能動的(例えばポンプ、注射器、その他の使用による)でも受動的(例えば、拡散又は溶解による)でもよい。第1の薬剤は、任意の種類の放出プロファイルに従って放出されるようにしてもよい。例えば、デバイスは第1の薬剤を連続放出、パルス状放出、バースト放出(即ち、大規模な最初の放出)、ボーラス放出(即ち、刺激によって始動されると直ちに貯蔵器全体が空になる)或いは0次放出プロファイルによって放出するように構成してもよい。他の変更された薬物放出プロファイルも考えられる。例えば、貯蔵器は第1の薬剤を調節放出(即ち、長期間に亘って調節された放出率)又は徐放(時間と共に緩慢に放出されるが、放出の調節率は要求されない)するために構成してもよい。勿論、複数の貯蔵器が採用される場合、刺激の任意の数と組合せを後続の薬剤の放出を始動するために用いてもよい。後述の薬剤は、能動的に、受動的に放出してもよく、又は、能動的と受動的との処置の組合せによって放出させてもよく、或いは任意の放出プロファイル又は放出プロファイルの組合せに従って放出させてもよい。後続の薬剤は、別々の貯蔵器から、任意の順序でも、同時にでも、或いは適宜な時間間隔を介して放出させてもよい。]
权利要求: 請求項1 被検者へ移植するための薬物送達デバイスであって、このデバイスは、第1の薬剤を装填されるように構成された第1の貯蔵器と、第1の波長範囲内の波長を有する光を含む第1の光学的刺激から光を選択的に吸収して、第1の薬剤の放出を始動するように構成された第1の目標領域とを備える薬物送達デバイス。 請求項2 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第1の波長範囲が約500nm乃至約1500nmの間にある薬物送達デバイス。 請求項3 請求項2の薬物送達デバイスにおいて、第1の波長範囲が約500nm乃至約700nmの間にある薬物送達デバイス。 請求項4 請求項3の薬物送達デバイスにおいて、第1の波長範囲が約500nm乃至約600nmの間にある薬物送達デバイス。 請求項5 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第1の波長範囲は、アルゴン・イオン・レーザー、Nd:YAGレーザー、周波数倍増Nd:YAGレーザー、ダイオード・レーザー、Nd:YLFレーザー、クリプトン・レーザー、色素レーザー、及びヘリウム・ネオン・レーザーからなるグループからの発光と重畳する薬物送達デバイス。 請求項6 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第1の目標領域が第1の波長範囲に亘って発せられる光を吸収するように選択された発色団からなる薬物送達デバイス。 請求項7 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第2の薬剤を装填されて、この第2の薬剤を放出するように構成された第2の貯蔵器を備える薬物送達デバイス。 請求項8 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、第2の貯蔵器は、その中に装填された第2の薬剤を第2の刺激に応じて放出するように構成されの薬物送達デバイス。 請求項9 請求項8の薬物送達デバイスにおいて、第2の刺激が第2の光学的刺激からなる薬物送達デバイス。 請求項10 請求項8の薬物送達デバイスにおいて、第2の刺激は、熱的刺激、高周波刺激、電離放射線刺激、電気的刺激、機械的刺激、化学的刺激、超音波刺激、磁気的刺激、及びそれらのその組合せから構成されるグループから選択された刺激からな薬物送達デバイス。 請求項11 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、第1の薬剤と第2の薬剤とが同一である薬物送達デバイス。 請求項12 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、第1の薬剤と第2の薬剤とは異なる薬物送達デバイス。 請求項13 請求項9の薬物送達デバイスにおいて、第2の光学的刺激は第1の光学的刺激とは異なる薬物送達デバイス。 請求項14 .請求項13の薬物送達デバイスにおいて、第1の光学的刺激は第1の波長による前記デバイスを照射を含むと共に、第2の光学的刺激は第2の波長による前記デバイスの照射を含む薬物送達デバイス。 請求項15 請求項13の薬物送達デバイスにおいて、第1の光学的刺激が第1の出力密度による前記デバイスの照射を含むと共に、第2の光学的刺激が第2の出力密度による前記デバイスの照射を含む薬物送達デバイス。 請求項16 請求項13の薬物送達デバイスにおいて、第1の光学的刺激が第1のスポット・サイズを有する入射ビームによる前記デバイスの照射を含むと共に、第2の光学的刺激が第2のスポット・サイズを有する入射ビームによる前記デバイスの照射を含む薬物送達デバイス。 請求項17 .請求項13の薬物送達デバイスにおいて、第1の光学的刺激が第1のスポット幾何形状を有する入射ビームによる前記デバイスの照射を含むと共に、第2の光学的刺激が第2のスポット幾何形状を有する入射ビームによる前記でデバイスの照射を含む薬物送達デバイス。 請求項18 請求項9の薬物送達デバイスにおいて、第2の貯蔵器が、第2の光学的刺激に相互作用して、この第2の貯蔵器に装填された薬剤の放出を始動するように構成される第2の目標領域を含む薬物送達デバイス。 請求項19 請求項14の薬物送達デバイスにおいて、第1の貯蔵器が、第1の波長を吸収する第1の発色団を含むと共に、第2の貯蔵器が、第2の波長を吸収する第2の発色団を含む薬物送達デバイス。 請求項20 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第1の光学的刺激が第1の貯蔵器に第1のオリフィスを形成を誘発する薬物送達デバイス。 請求項21 請求項20の薬物送達デバイスにおいて、第1の貯蔵器は、第1の薬剤を第1のオリフィスを通じて、拡散を介して被検者の生体構造へ放出するように構成されるた薬物送達デバイス。 請求項22 請求項20において、第1の貯蔵器が、第1のオリフィスの形成の後に、第1の薬剤を持続的な方式で放出するように構成された薬物送達デバイス。 請求項23 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第1の貯蔵器が始動に続いて第1の薬剤を能動的に放出するように構成された能動的機構を含む薬物送達デバイス。 請求項24 請求項23の薬物送達デバイスにおいて、前記能動的機構がポンプ又は注射器からなる薬物送達デバイス。 請求項25 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第1の貯蔵器が、始動に続いて第1の薬剤を受動的に放出するように構成された薬物送達デバイス。 請求項26 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、被覆を更に備える薬物送達デバイス。 請求項27 請求項26の薬物送達デバイスにおいて、前記被覆が受動的に薬剤を放出するように構成された薬物送達デバイス。 請求項28 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第1の貯蔵器が、第1の光学的刺激に応じて形状を変化させるように構成された薬物送達デバイス。 請求項29 請求項28の薬物送達デバイスにおいて、前記形状変化が、第1の貯蔵器に被検者の生体構造へ持続的方式で第1の薬剤を放出させる薬物送達デバイス。 請求項30 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、被検者の眼の領域へ移植されるように構成された薬物送達デバイス。 請求項31 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、第1の貯蔵器と第2の貯蔵器とが相互接続されている薬物送達デバイス。 請求項32 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、互いに独立に動けるように構成された第1と第2のデバイス・ボディ区画を備え、その第1のデバイス・ボディ区画は第1の貯蔵器を含むと共に、第2のデバイス・ボディ区画は第2の貯蔵器を含む薬物送達デバイス。 請求項33 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、前記デバイスの検索、前記デバイスの再位置決め、及び/又は前記デバイスの固定を可能にするように構成された繋留体を更に備える薬物送達デバイス。 請求項34 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、前記デバイスを被検者の生体構造に固定させるように構成されたアタッチメントを更に備える薬物送達デバイス。 請求項35 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、第1と第2の薬剤のうちの少なくとも一方が、抗炎症剤、抗感染薬、抗アレルゲン、コリン作動性アゴニスト及びアンタゴニスト、アドレナリン作用アゴニスト及びアンタゴニスト、抗緑内障剤、白内障防止又は治療剤、神経保護薬、酸化防止剤、抗ヒスタミン剤、抗血小板薬品、抗凝固剤、抗トロンビン剤、抗瘢痕剤、抵増殖剤、抗腫瘍剤、補足抑制剤、鬱血除去薬、ビタミン、成長因子、抗成長因子剤、遺伝子治療ベクトル、化学療法剤、プロテインキナーゼ抑制剤、低分子RNA、リーマス族合成物、及びそれらの組合せから構成されるグループから選択された薬物送達デバイス。 請求項36 請求項35の薬物送達デバイスにおいて、第1と第2の薬剤のうちの少なくとも一方が、抗成長因子剤からなる薬物送達デバイス。 請求項37 請求項36の薬物送達デバイスにおいて、前記抗成長因子剤が抗VEGF剤からなる薬物送達デバイス。 請求項38 請求項36の薬物送達デバイスにおいて、前記抗VEGF剤が、アフリバーセプトからなる薬物送達デバイス。 請求項39 請求項36の薬物送達デバイスにおいて、前記抗VEGF剤が、ラニビズマブからなる薬物送達デバイス。 請求項40 請求項36の薬物送達デバイスにおいて、前記抗VEGF剤が、ベバシズマブからなる薬物送達デバイス。 請求項41 請求項35の薬物送達デバイスにおいて、第1と第2の薬剤のうちの少なくとも一方が、抗炎症剤からなる薬物送達デバイス。 請求項42 請求項41の薬物送達デバイスにおいて、前記抗炎症剤が、ステロイド剤からなる薬物送達デバイス。 請求項43 請求項42の薬物送達デバイスにおいて、前記ステロイド剤が、デキサメタゾンからなる薬物送達デバイス。 請求項44 請求項42の薬物送達デバイスにおいて、前記ステロイド剤が、トリアムシノロンからなる薬物送達デバイス。 請求項45 請求項42の薬物送達デバイスにおいて、前記ステロイド剤が、フルオシノロンからなる薬物送達デバイス。 請求項46 請求項35の薬物送達デバイスにおいて、第1と第2の薬剤のうちの少なくとも一方が、リムス族化合物からなる薬物送達デバイス。 請求項47 請求項46の薬物送達デバイスにおいて、前記リムス族化合物が、ラパマイシンからなる薬物送達デバイス 請求項48 請求項35の薬物送達デバイスにおいて、第1と第2の薬剤のうちの少なくとも一方が、補体阻害からなる薬物送達デバイス。 請求項49 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、第1と第2の薬剤が、複合薬併用投与計画の一部をなすように選択される薬物送達デバイス。 請求項50 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、第1と第2の薬剤が連続薬剤投与計画の一部をなすように選択される薬物送達デバイス。 請求項51 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、前記薬物送達デバイスが、第1の送達構成体と第2の移植構成体とからなる薬物送達デバイス。 請求項52 請求項51の薬物送達デバイスにおいて、第1の送達構成体が20ゲージ又はより小さなカニューレによって被験者へ移植されるように構成されている薬物送達デバイス。 請求項53 請求項51の薬物送達デバイスにおいて、第1の送達構成体が細長く、第2の移植構成体が少なくとも一つの屈曲を含む薬物送達デバイス。 請求項54 請求項51の薬物送達デバイスにおいて、第1の送達構成体が少なくとも一つの折り目を含む薬物送達デバイス。 請求項55 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、加齢関連黄斑変性の処置のために構成されている薬物送達デバイス。 請求項56 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、前記デバイスが、第1の薬剤を含む交換用貯蔵器を収容するように構成された薬物送達デバイス。 請求項57 請求項56の薬物送達デバイスにおいて、前記交換用貯蔵器が第1の薬剤で予め装填されている薬物送達デバイス。 請求項58 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、前記デバイスが被験者へ移植されている間に、第1と第2の貯蔵器のうちの少なくとも一方が、そのそれぞれ薬剤を装填されるように構成されている薬物送達デバイス。 請求項59 請求項7の薬物送達デバイスにおいて、第1と第2の貯蔵器のうちの少なくとも一方が、再装填薬剤で再装填されるように構成されている薬物送達デバイス。 請求項60 請求項49の薬物送達デバイスにおいて、前記再装填剤が、予め装填された交換用貯蔵器に包含されている薬物送達デバイス。 請求項61 請求項1の薬物送達デバイスにおいて、第3の薬剤を装填されるように構成された第3の貯蔵器を備える薬物送達デバイス。 請求項62 請求項61の薬物送達デバイスにおいて、第3の貯蔵器が、第3の刺激に反応して第3の薬剤を放出するように構成されている薬物送達デバイス。 請求項63 請求項30の薬物送達デバイスにおいて、被験者の硝子体空洞、網膜、強膜、角膜又は結膜へ移植するように構成されている薬物送達デバイス。 請求項64 キットであって被検者へ移植するための薬物送達デバイスであり、このデバイスは、第1の薬剤が装填されるように構成された第1の貯蔵器と、第1の光学的刺激からの光を選択的に吸収して第1の薬剤の放出を始動するように構成された第1の目標領域とを含む薬物送達デバイスと、前記薬物送達デバイスを被験者へ移植するように構成された移植デバイスとを備えるキット。 請求項65 請求項64のキットにおいて、第1の光学的刺激を第1の目標領域へ伝搬するように構成された第1の光源を更に備えるキット。 請求項66 請求項65のキットにおいて、第1の光源が、アルゴン・イオン・レーザー、Nd:YAGレーザー、周波数倍増Nd:YAGレーザー、ダイオード・レーザー、Nd:YLFレーザー、ヘリウム・イオン・レーザー、クリプトン・レーザー、及び色素レーザーからなるグループから選択されているキット。 請求項67 請求項65のキットにおいて、第1の光源がパルス光を発するキット。 請求項68 請求項65のキットにおいて、第1の光源から発せられた光の出力密度を調節するように少なくとも一つの合焦装置を備えるキット。 請求項69 請求項68のキットにおいて、前記少なくとも一つの合焦装置が、レンズを含むキット。 請求項70 請求項64のキットにおいて、前記移植デバイスが20ゲージ又はより小さなカニューレからなるキット。 請求項71 キットであって被検者へ移植するための第1の薬物送達デバイスであり、このデバイスは、第1の薬剤が装填されるように構成された第1の貯蔵器と、第1の光学的刺激からの光を選択的に吸収して第1の薬剤の放出を始動するように構成された第1の目標領域とを含む第1の薬物送達デバイスと、被験者へ移植するための第2の薬物送達デバイスとを備えるキット。 請求項72 キットであって第1の薬剤と、被検者へ移植するための第1の薬物送達デバイスとを備え、このデバイスは、第1の薬剤が装填されるように構成された第1の貯蔵器と、第1の光学的刺激からの光を選択的に吸収して第1の薬剤の放出を始動するように構成された第1の目標領域とを含むキット。 請求項73 請求項72のキットにおいて、少なくとも第1の薬剤を含む一組の薬剤を備えるキット。 請求項74 請求項72のキットにおいて74.第1の薬剤を装填されるように構成される第1の交替貯蔵器から成立して、請求項72のキットにおいて、第1の薬剤で装填されるように構成された第1の交換用貯蔵器を備え、第1の薬物送達デバイスは第1の交換用貯蔵器を収容するように構成されたキット。 請求項75 薬物送達デバイスを被検者の生体構造へ移植する方法であってその薬物送達デバイスは、第1の薬剤を装填されるように構成された第1の貯蔵器と、第1の波長範囲内の波長を有する光を含む第1の光学的刺激から光を選択的に吸収して、第1の薬剤の放出を始動するように構成された第1の目標領域とを含む方法。 請求項76 請求項75の方法において、前記薬物送達デバイスが、第2の薬剤を装填される第2の貯蔵器を含む方法。 請求項77 請求項76の方法において、第2の刺激で第2の薬剤の放出を始動することを含む方法。 請求項78 請求項77の方法において、第2の刺激が第2の光学的刺激からなる方法。 請求項79 請求項77の方法において、第2の刺激が、熱的刺激、化学的刺激、電気的刺激、超音波刺激、磁気的刺激、機械的刺激、高周波刺激、電離放射線刺激、及びそれらの組合せからなるグループから選択されている方法。 請求項80 請求項78の方法において、第2の光学的刺激が、第1の光学的刺激とは異なる波長を有する光による第2の貯蔵器の照射からなる方法。 請求項81 請求項78の方法において、第2の光学的刺激が、第1の光学的刺激とは異なる出力密度を有する光による第2の貯蔵器の照射からなる方法。 請求項82 請求項78の方法において、第2の光学的刺激が、第1の光学的刺激とは異なるスポット・サイズを有する入射ビームによる第2の貯蔵器の照射からなる方法。 請求項83 請求項78の方法において、第2の光学的刺激が、第1の光学的刺激とは異なるスポット幾何形状を有する入射ビームによる第2の貯蔵器の照射からなる方法。 請求項84 請求項76の方法において、併用薬物療法を与えるように第1と第2の薬剤を放出することを含む方法。 請求項85 請求項77の方法において、第1の光学的刺激と第2の刺激を前記薬物送達デバイスへ順番に伝搬させることを含む方法。搬送 請求項86 請求項77の方法において、第1の光学的刺激と第2の刺激とを薬物送達デバイスへ並行に伝搬させることを含む方法。 請求項87 請求項76の方法において、同一の薬剤の連続投与を被検者へ送達することを含む方法。 請求項88 請求項75の方法において、前記薬物送達デバイスを患者の生体構造へ20ゲージ又はより小さなカニューレで移植することを含む方法。 請求項89 請求項75の方法において、前記薬物送達デバイスが被検者の生体構造へ移植された後、第1と第2の貯蔵器のうちの少なくとも一方を再装填薬剤で再装填することを含む方法。 請求項90 請求項75の方法において、前記薬物送達デバイスを被検者の眼の領域へ移植することを含む方法。 請求項91 請求項90の方法において、前記眼の領域が、被検者の硝子体空洞、網膜、強膜、角膜又は結膜を含む方法。 請求項92 請求項91の方法において、前記薬物送達デバイスを被検者の硝子体空洞へ結膜の下の移植部位を通じて移植して、その移植部位を移植の後に前記移植部位上で結膜を閉じることによって封止することを含む方法。 請求項93 請求項75の方法において、第1の貯蔵器が、第1の薬剤の徐放のために構成されている方法。 請求項94 請求項75の方法において、第1の貯蔵器が、第1の薬剤の調節放出のために構成されている方法。 請求項95 請求項75の方法において、第1の貯蔵器が、第1の薬剤のバースト放出のために構成されている方法。 請求項96 請求項75の方法において、第1の貯蔵器が、第1の薬剤のボーラス放出のために構成されている方法。 請求項97 請求項75の方法において、加齢関連黄斑変性、糖尿病性網膜症、ガン、緑内障、網膜及び脈絡膜疾病、白内障、ドライ・アイ症候群、視覚神経障害、眼窩疾病、角膜疾病、及びブドウ膜炎からなるグループから選択された症状を治療するためである方法。 請求項98 請求項75の方法において、前記症状が、加齢関連黄斑変性である方法。 請求項99 請求項97の方法において、前記症状が、糖尿病性網膜症である方法。 請求項100 請求項97の方法において、前記症状が、網膜及び脈絡膜疾病である方法。 請求項101 請求項97の方法において、前記症状が、ブドウ膜炎であるの方法。 請求項102 請求項97の方法において、前記症状が、緑内障である方法。 請求項103 薬物送達デバイスを被検者の生体構造へ移植する方法であってその薬物送達デバイスは、第1の薬剤を装填されるように構成された第1の貯蔵器と、第1の波長範囲内の波長を有する光を含む第1の光学的刺激から光を選択的に吸収して、第1の薬剤の放出を始動するように構成された第1の目標領域とを含み、第1の貯蔵器へ第1の薬剤を装填し、第1の目標領域を第1の波長範囲内の波長を有する光により照射することを含む方法。 請求項104 請求項103の方法において、前記薬物送達デバイスが移植された後、その薬物送達デバイスへアクセス可能な近傍へ封止可能なポートを移植することを含む方法。 請求項105 請求項103の方法において、前記薬物送達デバイスを被検者の生態構造に移植した後に、第1の貯蔵器に第1の薬剤を装填することを含む方法。 請求項106 薬物送達デバイスを被検者に移植し、その薬物送達デバイスは、各々が薬剤を装填するように構成された第1と第2の貯蔵器を備え、その第1と第2の貯蔵器は、それぞれ第1と第2の目標領域を含むと共に、第1と第2の目標領域を用いて、第1の貯蔵器を第2の貯蔵器から視覚的に区別することを含む方法。 請求項107 被検者へ移植するための薬物送達デバイスであって、第1の薬剤を装填されるように構成され、且つ第1の目標領域を含む第1の貯蔵器と、第2の薬剤を装填されるように構成され、且つ第2の目標領域を含む2の貯蔵器とを備え、第1と第2の目標領域は、視覚的に区別されるように構成されている薬物送達デバイス。 請求項108 .被検者へ移植するための薬物送達デバイスであって第1の薬剤を装填されるように構成された第1の貯蔵器と、第1の刺激に選択的に反応して第1の貯蔵器からの第1の薬剤の放出を始動するように構成された第1の目標領域とを備え、その第1の目標領域は前記デバイスのボディの周りで円周方向へ延伸している薬物送達デバイス。 請求項109 薬物送達インプラントであって、近端部と、末端部と、これらの間に延伸するハウジングと、このハウジング内に収容されるように構成される請求項1の薬物送達デバイスとを備える薬物送達インプラント。 請求項110 請求項109の薬物送達インプラントにおいて、前記近端部が、アクセス領域を含む薬物送達インプラント。 請求項111 請求項109薬物送達インプラントにおいて、前記インプラントが、円形、楕円、又は四辺形断面幾何形状を有する薬物送達インプラント。 請求項112 請求項109の薬物送達インプラントにおいて、被検者の眼の領域に移植されるように構成された薬物送達インプラント 請求項113 請求項112の薬物送達インプラントにおいて、前記眼の領域が、眼窩の中の硝子体空洞、網膜、強膜、角膜、結膜又は潜在的空間であるの薬物送達インプラント。 請求項114 請求項109の薬物送達インプラントにおいて、前記インプラントが透明材料からなる薬物送達インプラント。 請求項115 請求項114の薬物送達インプラントにおいて、前記透明材料が透明なポリマーからなる薬物送達インプラント。 請求項116 請求項115の薬物送達インプラントにおいて、前記透明なポリマーが、アクリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン・テレフタル酸塩グリコール(PETG)又はスチレンアクリロニトリル(SAN)からなる薬物送達インプラント。 請求項117 請求項116の薬物送達インプラントにおいて、前記アクリル共重合体がポリメタクリル酸メチル(PMMA)共重合体又はスチレン・メタクリル酸メチル(SMMA)共重合体からなる薬物送達インプラント。 請求項118 請求項109の薬物送達インプラントにおいて、前記インプラントが一つ以上の窓を備える薬物送達インプラント。 請求項119 請求項109の薬物送達インプラントにおいて、固定要素を更に備える薬物送達インプラント。 請求項120 請求項109の薬物送達インプラントにおいて、近端部が封止弁を含む薬物送達インプラント。 請求項121 請求項109の薬物送達インプラントにおいて、第1の薬剤が、抗炎症剤、抗感染薬、抗アレルゲン、コリン作動性アゴニスト及びアンタゴニスト、アドレナリン作用アゴニスト及びアンタゴニスト、抗緑内障剤、白内障防止又は治療剤、神経保護薬、酸化防止剤、抗ヒスタミン剤、抗血小板薬品、抗凝固剤、抗トロンビン剤、抗瘢痕剤、抵増殖剤、抗腫瘍剤、補足抑制剤、鬱血除去薬、ビタミン、成長因子、抗成長因子剤、遺伝子治療ベクトル、化学療法剤、プロテインキナーゼ抑制剤、低分子RNA、リーマス族合成物、及びそれらの組合せから構成されるグループから選択された薬物送達インプラント。 請求項122 請求項121の薬物送達インプラントにおいて、第1の薬剤が、抗成長因子剤からなる薬物送達インプラント。 請求項123 請求項122の薬物送達インプラントにおいて、前記抗成長因子剤が、抗VEGFからなる薬物送達インプラント。 請求項124 |